今回は『趣味を仕事にするときに考えておく4つのこと』をまとめてみました。
主婦のプチ起業的に活動を始めて10年が経ちました。
初めに知っておきたかったこと、準備しておきたかったもの、やっておけば良かったなーと言うこと。
これから始めたい方のヒントになればと少々踏み込んでお話ししていきます。ぜひ最後までご覧ください。
原価率の話など仕入れに関わる部分から、活動の心得まで幅広い内容となっています。
パンの原価を計算する
「趣味のパン作りを活かして、パンを販売してみたいな」と考えてるならまずは今焼いているレシピの原価を計算してみましょう。
今回は富澤商店さんを参考価格として使わせていただきます。※端数があると分かりづらくなるので、キリのいい数字で計算します。
あんぱんを例に原価を出して計算してみましょう。
- 強力粉300g
- イースト0.5g
- きび砂糖10g
- 塩5g
- 水200ml
- こめ油15ml
- つぶあん適量
- くるみ6粒
以前アップしていたレシピから引用しています。
購入価格から計算してみましょう。税込価格で考えます。
※修正:春よ恋は300gで約¥150です
以上から6個分でおおよそ605円。
つまり1個で大体100円となります。
原価率の目安として飲食では30%程度と言われているので、販売価格として考えるならこの仕入れ方法の場合、あんぱんを『1個300円くらいで販売する』という計算です。
原価はこんな感じで一つ一つを計算していきます。
ただ、正直1個300円のあんぱんは高いですよね。
だからここから“仕事“として活動していくには仕入れの工夫が必要になってきます。
一番大きいところでいうと小麦粉。
富澤商店さんだと25kgで約8000円です。
2.5kgだと約1250円。
10倍すると12500円なので、業務用で買うとだいぶ影響してきます。
同じようにあんこやくるみなども小分けのものより大袋の方がお得。
大切なのは、
『その金額でお客さんが納得してくれるか』
『その価格で自信を持って出せるか』
モノを売るということは原価がかかる。
「うちのお店は良いものを使っているから…」というのは分かるけれどでもそれはお客さんが納得して初めて成立するものであって、単なる言い訳になってしまうことがあります。
そしてパンは焼くだけではなく、袋に入れて販売します。
だからまだ必要なものがあります。
そう。“消耗品“です。
- パンの小分け用の袋
- ラベルシール
- 買い物袋
- オーブンシート
1つ1つ必要になるので原価に入れて計算しても良いかもしれません。
少しずつ買うよりもまとめて買ったり、仕入れる場所を工夫すると同じものでも安く購入出来てその分お客さんに還元できるようになります。
次の項目ではお金のお話をしていきましょう。
知っておきたいお金の話
次は定期的に小刻みにかかってくるものの例をいくつか挙げていきます。
光熱費は“家事按分“として計算していきます。
通信費は現代にとって確実にかかるもの。スマホの通信費だけでなく、Wi-Fiの料金もかかります。
あとは手数料系です。イベントは基本的に出店料がかかります。
一律3000−4000円というイベントもあれば、売上の何%というところもあります。
原価率の計算に加えて、出店料のことも考えて焼く個数を考えることになります。
完売する、とは限りません。売れ残ることもあります。
逆もあって、1時間で完売することもあります。
もっと焼けば良かったー!と思うよw
通販サイトでは高いところで14%、安いところで3%の手数料がかかります。
売れても売れなくてもかかる定額のところもあれば、売れた分だけ手数料がかかるというところもあります。
そしてガソリン代。
出店するにも発送するにも車がないと荷物が運べません。
ガソリン代がかかると言うことは…車にかかる費用もかかってきますよね。
車検代、点検代、エンジンオイルの交換など影響大。
あとは宣伝広告費。
イベントに出るにしても、通販だとしてもショップカードがあるとないとではその後のお客さんの記憶の残り方が変わってきます。
フライヤーはデザイナーさんに頼むという方法もありますが、その場合は別途費用がかかります。デザイン代と印刷代ですね。
わたしは基本的に自分でデザイン&入稿しています。
最近はデザインするのに便利なツールを使うようにしています。こちらもまた紹介します。
“どこに力を入れて、どこを抑えるか“を考えておかないと『小さく働く』というのはなかなか難しいなと思います。
始める前に用意しておきたいもの
なんとなくこんなことがわかってきたのではないでしょうか。
パン屋になるには“原価率の計算と仕入れの工夫“と“見えていなかった維持費の部分“を考える必要があるな。
次は趣味のパン作りを経てパン屋さんになるときに必要になってくるものを紹介します。
必ず必要になるものは食品衛生管理者の資格とパン工房の営業許可です。
食品衛生管理者の資格については講習会を受ければ取得可能です。
宣伝のための諸々のものはあると便利です
- InstagramなどのSNSアカウント
- ホームページ
- 通販を考えているならパソコン
- 出店を考えているならディスプレイ
SNSアカウントとホームページは無料で作れます。
パソコンに関してはどちらでも良いのですが、パソコンでないと納品書を出せないサイトもあるのであった方が便利なものではあります。※出品等はスマホでも可能です。
イベント出店を考えているのであればディスプレイに使う道具が必要になってきます。
例えば
- タープ
- 商品を並べるための机
- 雰囲気を作るアイテム など。
これがまた正解がなく、好みもすごく分かれる部分になるのでせっかくなら自分の雰囲気を出せるものを探していきましょう。
なるべく軽くて、収納出来て、丈夫なものを選ぶのがコツ。
原材料の仕入れもスタートと同時に必要になります。
- 自分がどのくらいの頻度でパンを焼くのか
- 出店の頻度はどのくらいにしようか
- メニューは固定化するのか
などお店の方針として考えておきましょう。
趣味から仕事にするときの心得
最後に『趣味』から『仕事』に変える時の心得についてお話ししていきましょう。
- 停滞期をどう乗り切るか
- 家族の理解を得ておく
- リスクマネジメントしておく
- 意識して休みをとる
いざ活動を始めてみると初めは結構良い感じに進みます。
ビギナーズラックと言うものも含まれているのかもしれませんが、理由は『勢い』ではないでしょうか。
とにかくいろんなことに興味があるし、いろんなイベントに出てみたい。
たくさん焼いて、たくさん食べてもらって、たくさん知ってもらう。
これはとても大切なことです。
ぜひ初めのうちはガムシャラに動いてみてください。
この経験は後から絶対役に立ちます。
停滞期を乗り切ろう
そのあと訪れるのは停滞期。
なんだか疲れちゃった…
思いのほか売上が伸びないな…
ずーっと仕事のことを考えているな…
少し時間が経って落ち着いてくるとこんな風に思い始めてくるかもしれません。
そんなときは活動の内容を見直すチャンス。
- 体力的にどうだったか
- 出店ペースはどうか
- 休みは取れていたか
- 仕入れの見直し
波は必ずあるので、停滞している時は無理に頑張るより一歩引いて客観視してみると発見があったりして。
家族の時間について考えておこう
もう一つ、育児中の開業に陥りがちなのが、『家族の時間が取れない』と言うこと。
例えば旦那さん的に“土日は家族で過ごしたい“という考えがあるなら初めのうちにしっかり話し合っておきましょう。
土日をイベント出店で使い過ぎて家族の時間が取れなくなると家の中の雰囲気が悪くなります。経験済みです。気をつけてww
収入面の話も同じく大切なこと。
どの家庭にも『家族としての将来ビジョン』があります。
どのくらい生活費がかかって、どのくらいを貯金したいのか。
どのくらいを投資に回したくて、どのくらい旅行に行きたいのか。
話し合ってある程度数値化しておくと、売上の目安にもなり休みの取り方なども考えることが出来て個人的にとても気楽になりました。
家族には一番の理解者であって欲しい。
いい機会だと思うのでときどきそんな話も出来たらいいんじゃないかなと思います。
リスクマネジメントをしておこう
リスクマネジメントもお忘れなく。
日本はどこにいても地震のリスクがあります。台風などで物流が止まることもあります。
まただいぶ戻りつつありますが、コロナの影響によりたくさんのイベントが中止や延期となりました。
どんな仕事にも共通することですがどれも“確実“ということはありません。
『いつ活動出来なくなっても後悔しないように今を頑張る』
わたしもいつもそんなことを考えています。
とはいえいざ何もなくなったらパニックにはなると思います。でも心構えしておくかどうかで全然違う。
あってほしくはないけれど頭の片隅にはおくようにしています。
意識して休みを取ろう
最後はオフの日を作る。意識して休みをとるようにしましょう。
身体は資本。
いつもトップギアで仕事をしていたら疲れてしまいます。
適度にお休みをとってリフレッシュ!
ただ寝るだけでもいいし、旅行に行くでもいい。
何でもいいので、仕事を忘れる時間をぜひ確保するようにしてください。
好きなことを仕事にすると、楽しいからつい時間を忘れてずーっと仕事のことを考えてしまいます。
でもあえて何もしない時間を作る。
ときどき頭と身体を休ませましょう!
今回のまとめ
今回は「趣味を仕事にするときに考えておくこと」について仕入れの部分から必要なもの・心得までをまとめてみました。
10年活動してきて思ったのは「心のゆとりを持つ大切さ」。
性格的に不器用なのに、これまでいろいろなことを同時にやってきてしまいました。
この数年で少しずつ手放し、消化するようにしています。
まさにその思い出し作業と棚卸しを今しているような気もしています。
まだまだ話したいことは盛り沢山。
記憶をたどりながら役に立つ情報をまとめていきますね♪