前回「パン屋の初期費用」のお話をしました。
今回は『維持費』のお話。
初期費用と同じく、個人差がかなりあります。
この記事ではあくまでわたしの例をお話ししています。
参考に留めていただき、活用する際はご自身の状況に合わせてご決断くださいね。
それでははじめていきましょう!
パン屋運営の維持費
一言で「維持費」と言っても種類は様々。
この項目ではパン屋さんを運営する上で必要なものをピックアップします。
ざっとこんな感じ。
- 材料
- 消耗品
- HPのドメイン代
- LINE公式アカウント
パン屋を続けるにはパンを焼き続ける必要があります。
パンを焼いたら袋に入れる必要があります。
パンを焼くためにオーブンシートが必要です。
極論、『材料と消耗品』があればパンは焼けます。
でも待っているだけではパンは売れない。
宣伝は必要ですよね。
まずはHPを作ってみましょう。
自分で作ってもいいし、依頼してもいい。
今はnoteを上手く使えばHPになりますし、わたしが使っているamebaowndはそれっぽくなります。
いろいろなリンクをまとめてくれるサービスもありますよね。
これに関しては別で記事にしています。
これらで宣伝して、いよいよ出店やショップをオープン!
次に大切なことは「リピーター向けの案内」。
気に入って何度も購入してくれるわけですから、多少直接の案内があってもいいよなー。
というわけで『LINE公式アカウント』の登場。
最近ベーシックなプランは有料化されましたが、パンの購買層を考えたらLINEはまだ外せないかなと。
月に200通の案内なら無料で使えるので、取り入れてみるのはアリかと思います。
フォロワーさんが増えたら嬉しい悩み。
きっとその時には固定費として計上出来るくらいになります。
ここまできてやっとパン屋に必要なものが出揃います。
結局のところパン屋を運営するには「焼いて、入れて、案内する」までがセットになるということ。
これを一人でやることになります。
わたしのパン屋運営の維持費の内訳です。
本音を言えば「LINEが無駄に高いわ!」ですが、仕方ない。
なんとか切り詰めてやっていきましょうw
パン工房の維持費
先ほどの項目では「パン屋の運営」にフォーカスしました。
この項目では「パン工房」の維持費を見ていきましょう。
注目は固定資産税ですね。
田舎で、しかも建物自体小さいので安いですw
固定費を圧迫しないように考えましょう。
光熱費は月によりかなり変動します。
特に夏場は小麦粉を守るためにずっとエアコンが稼働。
自宅と工房の契約は同じのため60Aで契約しています。
なので全体的に電気代が高いのはイタイです。
保険料は食品衛生協会が勧めているものに加入しています。
食中毒が起きた時の保険ですね。
一度も保険を使ったことはないですが、万が一として掛け捨て保険には入っています。
そして許可申請費用。
こちらは「工房取得時」と「6年ごと」にかかります。
まあ6年で18000円ですから、1年だと3000円。
あと上げるならば年間2回提出する検便。
夏と冬にそれぞれ近くの公民館へ提出します。
じわじわ値上げされて知らぬ間に500円になってました。
ただ固定資産税や保険料を合わせても10000円いきません。
光熱費がかなり圧迫しているなという印象です。
実際のところパン工房さえ作ってしまえばそこまで維持費はかからないかと思います。
家賃を除けば、ですが。
あとは”どう販売するか”。
次からの項目でみていきましょう。
イベント出店の維持費
この項目ではイベント出店に関する維持費を考えてみましょう。
といってもですね、イベント出店は初期費用がかかるくらいで実質そのあとはあるもので出店することが出来ます。
あえてお金がかかりそうな場面をひねり出してみました。
つまりは「移動と誘惑」との戦いが主ですねw
売上についても考えておきましょうか。
例えばパンをたくさん焼いていったとします。
200円のパンを500個。(この数字はわたしの規模では限界値)
売上としては100000円。
ここからざっとわかる経費。
- 出店料:5000円(仮)
- 交通費:1000円(仮)
- 駐車料金:1500円(仮)
- 材料費・消耗品:数万円
一旦ここまでで計算をすると82500円のプラス。
さらに材料費、消耗品を考えるとどうでしょうか。
500個分の材料費は結構かかります。
600gの小麦粉でパンを12個焼くとしたら24kg。
これ、25kgの小麦粉の1袋分に値します。
調味料やフィリングも忘れてはいけません。
残るのは…4-50000円あればいいところでしょう。
そして出店の大きなポイントは2つ。
- 1日使うので昼間は出店している
- 天候に左右されるのでロスリスクあり
たくさん仕込んでも大雨でイベントにお客さんが来ないんじゃあ売れません。
また1日焼成、1日出店と考えると2日は使います。
フリーランスに時給換算は邪道ですが、考えると結構カツカツではありますね。
なので出店だけで生計を立てるって本当に大変です。
コロナ禍でイベントがなかったので、この期間に実店舗をオープンしているお店も数多くあります。
何事もそうですが、分散は大切かもしれません。
ネットショップの維持費
最後の項目は「ネットショップ」。
やはりパン屋さんといえば基本は対面販売。
なので最初からネットショップというより、お客さんの傾向や感想を聞くなら出店のがオススメです。
スケジュール的に余裕が出てきたら、ネットショップを検討してみてもいいかなと。
ネットショップの維持費も出店と同様、あまりかかりません。
こちらもひねり出すとすればこんな感じ。
出店、ネットショップに共通するのは「車は使うよ」ということ。
車の維持費が結構かかりますよね。
それは覚悟しておきましょう。
ネットショップも売上を挙げて考えてみましょうか。
1つ知っておくことがあります。
出店と大きく違うのは「手数料」。
出店はいわば定額の利用料みたいなものです。
稀にイベント出店でも「出店料+売上の何%」というところもあります(百貨店とか)。
例えば100000円売れたとします。
手数料が10%なら10000円。そうなると手取りは90000円。
ここに材料費、配送料、消耗品がのし掛かってきます。
minneなら10%超、Creemaは飲食が15%超。
STORESは5%(有料プランなら少し下がります)。
手数料は決して安いものではありませんが、「自由にスケジュールを立てれる」のは大きな強み。
個人的には『土日に出店&サブとしてネットショップ』はかなりバランスが取れていました。
ただありがたいことに、出店よりもネットショップの方が伸びたので今はネットショップがメイン。
その時に合わせて動きを変えてもいいですね。
わたしの現在の活動バランスは
- ネットショップ6割
- 定期販売2割
- 配信関連2割
といったところでしょうか。
以前よりだいぶ気持ちと時間の余裕が出てきた気がします。
今回のまとめ
今回は「パン屋の維持費、いくらかかるの?」ということでパン屋運営・パン工房・イベント出店・ネットショップに分けて解説しました。
最後にポイントをまとめておきましょう。
2回に渡り「パン屋のお金事情」をお伝えしてきました。
まとめていて感じたのは”工房の敷居の高さ”。
最初にドン!とお金がかかるし、工房を作る場所も必要になるわけですから、みんながみんなノリで作れるようなものではありません。
また工房を作ったはいいけれど、宣伝を全くしないともちろんお客さんは増えません。
1人パン屋は全てを1人でこなします。
わたしも途中で何度も挫けそうになりましたし、年に何回も「もういいかな」とまだ思いますw
でも自分の性格や理想の働き方を考えるとこの自由度に勝る働き方って見当たらないんですよね。
だからまだ続けます。
息抜きしながら楽しみましょうか!