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ちいさなチャンネルではありますが、誰かの、何かのお役に立てるよう今後もコツコツ続けていきますので、どうぞよろしくお願いします。
さて。区切りのタイミングでは少しパーソナルなお話をしています。
今回は「ちいさなパン屋を10年続けるコツ」。
ちいさく、ほそく続けてきたパン屋。10年と聞くと「すごいね!」なんて言われますが、形を変えながら細々と続けてきた感じです。
家族を後回しに考えて突っ走っていた時期もありましたし、子育てを優先すべく、はたらき方を模索した時期もありました。
「なんとか続けてきた」
実はこれが正解なのかもしれません。
「家庭を優先しながら、好きを仕事にしたい」
もしみなさんの中にそんな風にはたらき方をしたい人がいたら、少しだけこの動画がお役に立つかもしれません。
ぜひ最後までお付き合いください。
成り行きを受け入れる
ざっくりこの10年を振り返ってみると時期を重ねつつ、こんなことをしておりました。
そもそものはじまりはパン屋ではありません。
産後に何かしたいなと思って講師業をスタート。それが2011年の初め。息子は生後半年ほど。そこからあれよあれよとパン屋を始めたのが2013年ごろ。
これも最初から販売をしていたわけではなく、パン教室からのスタートでした。
趣味のパン作りをみんなでやりたいなと思い、人を集めていたらあれよあれよと増えていった。多い月は100人超え。週2回くらい開催していましたね。
同じ時期に当時お世話になっていた人から「イベントやるんだけど販売してみない?」と言われ実家の一室が工房登録できたことからパンの販売をスタート。
最初の販売はママ主催のイベントでした。
ここから分かる通り、成り行きといったらアレですが「そのとき、楽しいことをする」を実行していたらこうなった。
で、なぜか今はパン屋の情報発信をしているわけですね。
イベント主催もまた流れのままに始まりました。きっかけははじめてパン販売をしていたママ主催のイベントに戻ります。
何度か開催され、規模が少しずつ大きくなる。そこで出会った出店者の方と仲良くなり、さらにその人を通して違う出店者とつながる。
「新しいイベントを作りたい」という想いが合致し、ちいさな森のちいさなイベントがスタート。
これもまたあれよあれよと大きくなり、途中からはうれしさの反面、気持ちが追いつかなくなっていました。
コロナ禍で開催がストップ。ネットショップが育ってきたこともあり、再開したタイミングではもう頭が上の空。
気持ちがフラフラしていたところ、喝が入る。
自分の性格に合っているのか。無理をしていたら周りにも迷惑だ。というわけでいろいろありまして、イベント主催を抜けて今に至ります。
まとめるとこんな感じですね。
飽きやすい性格、お豆腐メンタル、気になったことはやってみたいタイプ。
大抵何かを始めるときはみんなこう思っています。
「これをずっと続けたい」
わたしもそうでした。でも性格的には同じことを続けているとなんだか怖くなってくるんです。むしろ”大切に、大切に”育てているからこそ、失うことが怖くなって守りに入ってしまう。
自分の意志に反して失うことになるなら、自分から手放して気持ちを切り替えたい。
今、わたしがパン屋卒業を目指して次の動きをしているのもきっと同じ原理でしょう。
でもそのおかげでたくさんの人に出会えたし、たくさんの貴重な経験もできました。
”経験に無駄なんてなかった、人生なるようになってるよ”
やーっと最近ここまで思えるように。
もしかしたら「わたしにはこれしかない」と思うよりも、「もっと何かできるかもしれない」みたいな視点を持つと好きなことをほそく、ながく続けられるのかもしれません。
複数の活動場所をもつ
先ほどの項目に少し通ずるお話ではありますが、パン屋も複数の活動場所があるといいのかなと。
パン屋はビジネスモデルでいうと「フロー型」。
材料を仕入れ、加工し、販売する。販売したらその商品は手元からなくなるため、また材料を仕入れ、加工し、販売する。これを繰り返します。
ということは「回さないと回らない」ですよね。
パン屋のはたらき方もいろいろ。
それぞれにメリット・デメリットがあります。
例えば店舗営業ならどうしても受け身になりがち。でも販売できる場所があるのは強みです。イベント出店は集客があるため売れやすい。反面、イベントがないと販売できません。
わたしはたまたまそのイベントを作る側にいた。そのおかげで販売場所を維持できました。
ベストはこれらの販売方法を組み合わせて、最大限”回せる”のがいいかなと思います。
ただし。”パン屋だけで”維持をしたいなら、の話ですが。
これ、難しいのは「回せば回すほど大変」になること。
ずっとパンに追われ、ストップしたら売り上げも止まる。
個人的にはずっと回し続けるのは難しかった。理由は先ほどもお話しした「飽きっぽい性格だから」。
同じことをずっと繰り返すと飽きちゃうんです。あとはフロー型のビジネスモデルに不安もありました。
こうしたことからはじめたのがYouTube。そしてブログや電子書籍出版です。これらは微力ながらもわたしが休んでいるときにお仕事をしていてくれます。
「それは文章書けるからでしょ!」と思うかもしれませんが、いやいや世の中にはパン作りを動画配信してしっかりビジネスされている方はたくさんいます。
もちろんYouTubeに関しては収益化の壁はあります。ブログも同じく、立ち上げがそれなりに大変でした。
でもはじめなければ到達することも出来ません。
パン屋さん、お菓子屋さんの中には「自分のレシピを広めたい」方もいらっしゃることでしょう。そんな方には有料noteで販売する方法もあります。
パンを焼きまくって活動するのもステキですが、また違う角度からパンを広めるのもよくないですか?
わたしであればイベント主催はまさに別角度でした。
本来であればパン屋はイベント出店側。それを出店兼主催するヤツはあまりいませんw大変だから。でもあの経験があったからこそいろんなイベントをいろんな見方ができます。
あえてパン屋とは別の分野だったからこそ、他の世界を見てビジネスモデルをいくつか持ちたくなったのかもしれませんね。
『複数の活動場所をもつ』
わたしにとっては気分転換にもなりましたし、今こうやって情報発信をする上でもものすごーくプラスにはたらいています。
ぜひいろんな角度からやりたいことを見つけてみてください。きっと活躍できる場所は思っている以上にありますよ。
休むときはしっかり休む
これまた先ほどの項目に通じてきますが、フロー型の活動は「回さないと回らない」ため動き続ける必要があります。
ただこれをずっと続けているとマイナスにはたらくことが往々にしてあります。
これ、すべて経験しました。
それで気付いたんです。
「あぁ、止まることも大切なんだ」って。
休むことで心も身体も頭も充電されます。心に余裕が出ればアイデアも浮かびます。
体力的に余裕が出れば、子育てにも向き合えます。でも時間だけは”有限”なんです。そして平等。時間に余裕が出れば違う世界を経験できます。違う世界を経験できれば、別の仕事に使えるかもしれない。
わたし自身、パン屋のスタート当初は回すことに頭がいっぱいになっていつも息子を怒っていました。
怒ったあとは「なんでいつも怒っちゃうんだろう」と落ち込み、落ち込むと気持ちがズーンとなって、動きも鈍る。
そこでやっと気づく。
「あれ?わたしって何が大切だったっけ?」
自分にとって家族は一番大切だったはず。それなのに自分で自分を追い込んで、そのツケを家族に負わせて、一人で怒っている。
実家が家庭崩壊していたんだよね?ずっと心が寂しくて、孤独だったんだよね?なんで自分でそれを再現しちゃってるのよ。
このことに気づいたのが6.7年前です(遅)。
気づいてからもセルフブラック企業してましたので、上がっては落ちて、調整してまた上がって落ちてでした。年齢も重ねてきたので、最近はずいぶんと落ち着きました。
するとね、世界がまた変わるんですねぇ。
例えば息子が面白い学校に入学したり、夫が海外赴任になり訪問してみたり。
もちろんいわゆるワンオペですのでちょっと大変ですが、それぞれがそれぞれの場所でがんばっている姿を見ると刺激も受けます。
だからわたしも新しいことに挑戦している。今はその新しい世界がとても楽しいです。
……だんだん変な宗教みたいになってきたので、このあたりで止めておこうw
要は「休むときは休んでリフレッシュしよう」。
その休むのが怖いとしたら、活動を広げて動かなくても仕事してくれる何かをつくるのもあり。
お菓子を焼いて、委託販売できる場所を見つけてみたり。
パン屋といっても菓子製造業許可ですからその中の世界はまだまだ広いです。
上手にバランスを見つけていきましょう。
効率だけを求めない
「回さないと回らない」とお伝えしていますが、回しまくる弊害だってもちろんあります。
どうしても効率を考えてしまうんです。
効率もコスパも大切ですが、やりすぎると単なるケチになる。
シンプル・イズ・ベストで済ませればいいのですが、そういった細かいところって意外と目立つんですよね。
作業的になった時点で成長しません。あと現状維持は後退とも言います。
わたしね、イベント主催のときに大変申し訳ないことをしてしまったのです。
イベントがどんどん大きくなってきて、頭が追いつかなくなってきた時期。すごい上手にグループを回してくれているので、それに乗っかるように動いていました。
「これ、変えておいて」と言われたら「はい」と変える。「これ、置いといて」と言われたら、「はい」とそこに置く。
相手の考えを邪魔してはいけないと思い、言われるがままに動いていました。
なるべく早く動けば相手も気持ちがいいだろう。きっとわたしが意見を出すよりいい意見が出るんだもの。そんな気持ちでいたんです。
が、相手からしたら「なんで機転が効かない?」となりますよね。
もちろん怒られました。
生育環境のせいにしたらいけませんが、「自分が黙っていれば事は過ぎていくんだ」みたいな気持ちがどこかありました。
結婚してからもそうです。なにかうまくいかないことがあると無意識に我慢していました。たぶん家族になったことで変なスイッチが入ったんでしょうね。
おそらくイベント主催をしているときも、チーム戦が色濃くなった時期から無意識スイッチが入った。
知らず知らずにただ動くロボットのようになっていた。
チームが効率よく動くためには、意見を提案して引っ掻き回したら申し訳ないと思ったから。きっともっと意見を出せばよかったんですが、もうそんなメンタルの余力はありませんでした。
もうちょっと自分が強かったらよかったのに……といまだに後悔していますが、もう遅い。
手間をかけ過ぎるのも効率が悪いですが、相手に全投げするのもよろしくないですよね。
めちゃめちゃ反省しております。
パン屋業務も同じ。極論子育ても、家庭も同じ。
何事も”良い加減”ですね。
”良い加減”の手間を大切にしましょう。
今回のまとめ
今回は「ちいさなパン屋を10年続けるコツ」をお伝えしてきました。
パン屋の前の活動を含めるとかれこれ13年の月日が経ちました。活動開始当初20代前半。本当に無知の中、なぜ13年も続けてこれたのか。
それは「ちいさくてもいいから、家庭優先で暮らしたい」とずっと思い続けていたから。
一時期は猪突猛進に動いていましたが、やっぱりわたしにとって”家族”って大切で。
別に愛情不足で育ってきたわけではありません。それぞれが愛情を持って育ててくれたと思っています。でもいろいろあった環境の中で「わたしってなんだろう?」とずっと思って生きてきた節があります。
頼れないから強がって、強がっているから頼れない。頼ったらカッコ悪いと思っていたし、しっかりしていれば褒められると思っていました。
でもなんだか寂しくて、なんだか孤独で、誰を信じたらいいかわからなかったんですよね。
だから子どもに同じ思いは絶対させたくなかった。
もちろんこうやって”ちいさく、ゆるく”はたらけるのは支えてくれている夫がいてこそではありますが、少しずつわたしの心の傷も癒えてきているように思います。
ここからはもう少し強くならねば。
ほそく、ながく、つづけるコツ。
それは「自分の軸を持つ」。
あなたにとって大切なこと、ぜひ考えてみてくださいね。