フィリピンからこんにちは!ぱんのおみみです。
ん?今なんていった?フィリピン?
わたしは今、フィリピン・セブ島に来ています。
息子の親子留学の付き添いでして、憧れの海外ノマドを体験しております。
親子留学については動画でまとめますが、海外に来ているということは……。
そう。現在パン屋は長期連休中でございます。
このあと夫のいる上海にも遊びにいくため、はじめて1ヶ月半ネットショップを閉めます。
最近はマーケティングを学んでいることもあり、今回連休前にいろいろと試してみました。
この記事ではその内容をお伝えできればと思います。
パン屋はフロービジネス
パン屋はいわゆるフロービジネスと呼ばれるはたらき方。
フロービジネス、覚えていますか?
ビジネスモデルは大きく分けて2種類あります。あらためて解説しておきましょう。
- フロービジネス:その都度、商品の売買を行うビジネスモデル
- ストックビジネス:継続的に売上を得られるビジネスモデル
フロー(flow)は「流れる」という意味。例えば飲食店がわかりやすいでしょう。
「今日売れたから、明日も売れる」という保証はありませんが、お客さんのニーズにガッポリハマれば一気に売上が伸びる可能性があります。
イベント出店は特にわかりやすいですよね。店舗があるとしても普段よりたくさん焼いていくことが多いです。
反対にストック(stock)は「蓄える」という意味。こちらはNetflixなどサブスクを想像するとわかりやすいですね。
安定感がある一方で、飽きられるリスクはあります(まぁそれはフロービジネスも同じですが)。
なぜこの説明をしているのかというと……「フロービジネスは休むと収入がストップする」から。
そう。休みを取るのがとても怖いのです。
- 休んだらお客さんに忘れられそう
- 売り上げがなくなるから休めない
- ヒマな時間をつくるのが怖い
そのため身体は疲れているのに、はたらき続けている飲食店は多くいらっしゃるかと思います。
ビジネスモデルだけでいえばストックビジネスを持っておくことで、多少の安心感は出るのかなと思います。
パン屋でいえば「サブスクで定期的にパンを配送する」などでしょうか。
これはこれで休めないというデメリットも存在するわけで、結局のところ自分の中でどの程度折り合いをつけるかに懸かっています。
店舗運営・イベント出店だけで活動しているパン屋がネットショップをはじめるのも多少はストック要素があります。
わたしも以前は休むのが本当に怖くてイベントに出店し続けていましたし、間借り販売も「家族が長期連休でも続ける」と考えていました。
ネットショップをはじめてもカートを閉めるのが怖くて「とりあえず開けておこう」となる。で、ずっと気を張っていました。
歳を重ねた今……といっても30代ですがw、パン屋を10年続けた今は「休むときは休もう」と割り切ることが出来ています。
その理由は2つ。
- 休まないデメリットも存在するから
- いわゆる副業的なことをはじめたから
それぞれ解説していきましょう。
休まないデメリットも存在するから
ここで休むメリット・デメリットをお伝えしましょう。
- リフレッシュできる
- 考える時間ができる
- 工房の大掃除ができる
- 家族との時間が取れる
1つずつ解説する必要もないと思いますが、時間ができるわけですから、普段やろうと思ってもなかなかやれないことができるのがメリットですね。
- 売り上げがなくなる
- 忘れられるのが怖い
- 仕事の感覚がなくなる
- 食材ロスのリスク
最大のデメリットは上2つ。
売り上げがなくなることは言うまでもありませんが、とくにわたしのようなちいさなパン屋は「忘れられる恐怖や不安」。これが大きい。
ここに関してアドバイスをするならば…。
「長年続けていれば覚えていてくれるし、定期的にSNS発信をしてアピールすればファンはしっかり覚えていてくれる」
最初から「よし、休むぞー!」は危険です。最初の数年はとにかく動くべし。
で、「休まないデメリットって何よ?」って話ですが『いつでも買えるパン屋』をどう思うかがポイント。
これもまた自分のはたらき方をの折り合いになります。
いわゆる副業的なことをはじめたから
フロービジネスだけでなく、ストックビジネスを持っておく方が安定感があるとお伝えしました。
ここでいうストックビジネスはサブスクでのパン販売と全く別の分野に分かれます。
もちろんサブスクでのパン販売でも十分なのですが、そもそも飲食系自体が「材料を用意して、消費していく」というフロービジネスモデルになります。
インフレのこともあるため、わたしは別の戦略をとりました。
それが「コンテンツの配信」。動画やブログ、電子書籍ですね。
わたし自身、もともとデジタルは苦手だったのですが、フロービジネスの弱さを知っていたので、なんとかくらいついて3年間続けてきた感じです。
最近ようやくカタチになってきたのと、夫の海外赴任のこともあり本気で取り組まないとこのあとパン屋を卒業したときに困ります。
あと3年でどこまで伸ばせるか。がんばります。
わたしの場合はふわっとパン屋になったこともあり、「パン屋をゴール」として考えていませんでした。
ある意味その考え方は強いのかもしれません。
と、パン屋でがんばろうと思っている方々になんてこと言っているんだと思いつつも、個人的には「休むこと」は意識しないと不安や恐怖が先行してしまうのを知っています。
だから意識して休みはとりましょう。
それにね、ずっと継続しているとときどき視野が狭くなってしまうのです。
出かけた先で材料を仕入れてみたり、新作を考えてみたりと普段なかなかできないことを休みの期間にはやってみてほしいなーと思います。
休む上で心得ておくこと
休め休めと言っておりますが、何も考えずに休むのは大変危険です。
ここでは「休む上で心得ておくこと」について解説します。
以下の4点です。
- 売り上げが止まっても維持できるか
- 食材の状態を把握しておく
- 家庭とのバランスを考える
- 休むことで得られるものを考える
それぞれ解説していきましょう。
売上が止まっても維持できるか
パン屋100%で活動をされている場合、焼かなければ確実に売り上げが止まります。
売り上げがなくても耐えうるだけの蓄えというか余裕は持っておいた方がいいでしょう。
つまり「休み前にしっかり販売しておく」わけです。
これについては今回の長期連休前にちょっとした小技を使って宣伝してみてそれなりに効果があったのでのちほど解説します。
食材の状態を把握しておく
長期連休はどのくらいの期間を指すのか。
それは人により異なりますが、パン屋で考えると少なくとも「1週間以上休む場合」は当てはまるかと思います。
その期間試作をするなら話は別ですが、基本的には食材を使うことはありませんよね。
工房内はしっかり掃除をして、夏場は特に温度管理には気をつけましょう。
シバンムシを1匹見つけたら、大量にいると覚悟をしてください(怖)。
対策としては「休みを考慮した仕入れをする」。
温度管理だけではどうにもできないですから必要な量を必要なときに仕入れるようにしましょう。
家庭とのバランスを考える
ご家庭をお持ちの場合は、家族の休みも自分の休みに影響を与えます。
例えば我が家では年末年始、GW、お盆の時期に短くても9日間、前後で有休をつけると2週間ほど夫が休みになることがあります(大企業ならではの休みの取り方ですね)。
息子も長い休みの期間ですから、この時期はお昼ご飯も準備するわけで。
「大変だから休んじゃおう!」というのもありますw
自営業育ちだったので、最初はこの長期連休は戸惑いました。
今年で結婚して15年経つのですが、最近はすっかり休みも定着しております。慣れですね。
逆になかなか連休が取れないご家庭もあることでしょう。その場合は誰に合わせた休みを取るのか。
もしくは体感として持っている「閑散期」があれば、ある意味お客さんに合わせて休むのがいいかなと思います。
わたしの体感としてはお盆前後は帰省されている方もいるので毎年「ヒマだな」と思っていたものです。
同じく年末年始もパンよりお餅やおせち。
逆に春休みはお留守番をしていたりで冷凍庫にパンがあると心強いらしいですよ。
閑散期に合わせるのも1つの方法です。
休むことで得られるものを考える
さて、休めといっておりますがグダグダ過ごしていいよとはいっておりませんw
この期間、もちろん最初の2日とかはのんびりしてOK。そのあとはぜひ頭だけお仕事モードにしてみましょう。
- 新商品を考える
- 工房を大掃除する
- 在庫を把握する
- 企画を考えてみる など
やれることはいろいろと見つかるでしょう。
この時期にいかに先をみておけるかでこのあとのお仕事の楽さが変わると思います。
わたし自身は今回の春休みでは次の福袋を考えたり、期間限定メニューの予定を決めたりします。あとは電子書籍を仕上げたり、台本を書いたり。
時間はみんな平等ですから。
ここでサボらず、コツコツ積み重ねるときっと未来は明るくなるでしょう。そう願ってます。
休み前は販売チャンス?
ここからがいよいよ本題です。
これまでも長期連休はとってきたのですが、今回は告知やら文言やらを結構変えてみました。
以前ライティングを学んだとお伝えしましたがライターさんもいろいろです。
セールスライティングというのも学ぶんですね。
こういう話をすると周りがなぜか「わたしもライティング学ぼうかな」と言い出します。が、別に学んだからといって誰も行動に移すわけではありません。
こうやってわたしが出す情報を試してみてそれでも気になるなら学べばいいわけで、わざわざ高いお金を出して賭けに出る必要はないです。
わたし自身は自営業家庭で育ちました。しかも小学生のころからお手伝いをしていました(強制ではなく、やりたくてやってました)。
地元の大きなお祭りでは小学校高学年からレジ。
中学生になると呼び込みもしていたし、高校生からは自分で仕入れて商売もしました。
どうやら生粋の商売人魂を持ち合わせているようです。
なかなかこういった経験はできませんよね。特に文章は苦手なのを得意にはできません。
わたしが噛み砕ける範囲でお伝えしますので、今はぜひパン屋運営に集中してください。
ではマーケティングの話に入りましょう。
人が動きたくなる要因は3つあるといわれています。
- 即効性(時間、期間の短縮要因)
- 緊急性(すぐに申し込むべき必要性)
- 希少性(限定的)
今回はこの心的要因を利用して宣伝をしてみました。
人は「今だけ」「期間限定」「先着〇名様」という言葉に心を揺さぶられます。
春休みの例でいうとこんな感じ。
- 今年の春休みは長いよ
- しばらく買えないよ
- もうすぐ締め切るよ
- 季節メニューもあるよ
これをnoteでお知らせするとともに、それぞれのサイトのカートでもお伝えしました。
どうでしょう?先ほどの要因が入ってませんか?
「すぐにでも自分の欲求を満たしたい(即効性・緊急性)」という心理がそのまま行動意欲(申し込み)に結び付きますよね。
また、人間の心理傾向としては「損失の回避心理」も伴ってくるため、「満たせるはずの自分の欲求を満たせなくなる可能性(緊急性)」「自分の欲求を満たせるものの限られたチャンスの可能性(希少性)」も併せて浮き上がってくるというわけ。
結果、久々に20件以上注文が重なってえらい大変な1週間を過ごすことにw(自業自得)
3月の前半しか注文はとっていないのですが結構な発送の件数になりました。
でもしっかり効果は出たので、検証としては成功です。
で、ここでうれしくなるとやってしまいがちなことがあります。
「やっぱり春休み、短くします!」
これダメですよ。信頼残高が下がります。
めっちゃ強くいうと……一種の詐欺ですよねw
嘘はついてはいけません。言った言葉に責任を持ち、休みましょう。
春休みはどう過ごす?
そんなこんなで1ヶ月半もの間、ネットショップをお休みします。
ただ4月は途中2週間ほど予定が開く時期があるので、この期間は普段の定期販売と個別注文のみ受け付けます。
これは何の検証って?
公式LINEの方には特別に買えるように「希少性」を持たせるといいかなと思いまして。
ここにも要素があるんですね。ファンクラブ的なイメージでしょうか。
春は美味しい食べ物も多いですから、季節食材でわたしも楽しみたいなというわけ。
実質稼働期間は6日間くらいです。
それ以外は何をしているかというと。
- 春休み前半はフィリピンセブ島へ
- 春休み後半は夫の一時帰国(数日間)
- GWは夫のいる上海へ滞在
謎にグローバル化してしまいましたw
上海は近いのでね、結構な頻度で行き来します。
そんなこんなで今はセブ島におります。
親子留学といっても、親は付き添いプランみたいなもの。
親同士交流したり、マッサージを受けてみたりと何だか至れり尽くせりw
その様子は動画で紹介しますね。
そのうち現地集合旅なんかいいなと夫とも話しています。
だってね。本人も中国と日本の行き来だけでは何も変わり映えがしないでしょうから。
沖縄集合とか、台湾集合とか、はたまたマレーシア集合もいいかも?なんて夢を膨らませております。
わたし自身は平和主義・現状維持マンで有名。その扉をいつもこじ開けてくれるのは夫です。
そこで「わたしは仕事があるの!」という人もいますが人生一度きりですよ?わたしはいろんな世界が見たい。
とはいえビビリなので、少々無理矢理にでも環境を変えないと動けないわけでして。
英語も中国語もできないし、何なら卵アレルギーですが、きっとなんとかなる!
今やれることを精一杯楽しもうと思います。
今回のまとめ
今回は「長期連休前は販売チャンス!?」ということで、パン屋のビジネスモデルとちょっとした宣伝のコツをお伝えしてきました。
途中で「休まないことの弊害」について触れました。
休まず続けていることはとてもすごいことなのですが、一歩立ち止まってみることで自分のはたらき方や自分の商品等を客観視できる側面もあると思うのです。
また店舗があるのに毎週外でイベントに出ていたら「イベントに行けばいいや」と店舗への足は遠のくでしょう。
かといって、店舗運営に全振りしていたら新規のお客さんを獲得するのは難しい。
何事もそうなのですが、バランスってとても大事。
こう話すと「そのバランスを教えて!」と言われますが、人それぞれなんですよね。1日2日で見つかるものではありません。
続けるからわかるバランスもあるし、挑戦したから学べる経験もあるわけで。
いろいろ試しながら楽しくパンを焼いていきましょう!