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会計管理

【パン屋ももちろん対象です】電子帳簿保存法とは?

少し前にちょっとしたアンケートをとりました。

「電子帳簿保存法を知っていますか?」

ご回答いただき、ありがとうございました。

こちら、事業主に限らず”すべてのはたらく人”に関係する法律。

知らない方が思いの外多かったので、今回まとめてみようと思います。

パン屋に関する部分のみにはなりますが、今後のご参考にしてください。

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電子帳簿保存法ってなぁに?

何度かお伝えしていますが、改めて「電子帳簿保存法とは?」から始めていきましょう。

電子帳簿保存法とは『電子で帳簿や書類を保存するための法律』。略して「電帳法」といわれるそう。

帳簿や書類をパソコンやクラウドに保存するためのルールをまとめたもの”と考えると分かりやすいかもしれません。

昭和の時代、帳簿は手書き。もちろん領収書も請求書も全部手書き。

電卓やそろばんで計算し、間違えてはやり直し…という手作業が一般的でした。

わたしもね、実家が自営業だったのでその作業を見ていました。

書類はね、ケンカのもとというか、家の中がキリキリしてた気がしますw

1990年代中頃からパソコンが普及。それにより帳簿や書類もパソコンで作成することが増えました。

こうした流れを受け「電子データのまま保存できるように整えよう」と、電子帳簿保存法が1998年頃から存在するようになったとのことです。

まぁ歴史はどうであれ、これまではペーパーレス化したい会社にだけ関係のある法律だったのですが、2024年1月1日以降は「電子で取引をしたデータの紙保存が完全禁止」になりました。

ん?じゃあ紙は全部ダメなの?となりますが、紙で取引をしたものはそのまま紙保存でオッケー

”電子で取引をした書類”は原則「電子データで保存」となりました。

例を挙げると

  • メールでのやり取り
  • ネットやクラウドを使ったやり取り
  • DVDやUSBなどを介したやり取り

が含まれます。

ざっくり多いものでいうとこのあたり。

  • 請求書
  • 領収書
  • 契約書
  • 納品書
  • 注文書
  • 見積書

こう聞くとやっぱりなんだか不安になりますが、要は紙でもらったら紙のまま、データでやり取りしたらデータのまま保存すればいい。

ここでは『もらった状態のまま保管をする』と覚えておいてください。

パン屋の業務ももちろん該当

アンケートで仕入れについても聞いてみました。

一部の方を除き、多くはネットでの仕入れを利用しています。そうなるともちろんこの電子帳簿保存法は関係してきます。

いくつか例を挙げてみましょう。

スーパーなどで仕入れた場合

これはレシートをもらう形となるため、紙保存でオッケー

スキャンなどをして電子データでの保管もオッケー

納品等で請求書や領収書を出した場合

こちらも紙で出力して渡すのであれば、紙保存でオッケー

メールなどネットを介して送る場合は電子データを保管すること

ネットショップなどで仕入れた場合

基本的には電子でのやり取りになるため電子データ保管がマスト

どうでしょうか?なんとなく振り分けられたでしょうか?

そうそう。手書きの領収書はどうなるのでしょうか?

手書きの領収書は”そのままで問題ない”です。ただしそれをパソコンで送受信したら電子データの保存が義務化されます。

手書きしたものを写メで送る…というのもそれに該当します。

ややこしいっちゃややこしいんですが、とにかくパソコンやスマホなどで送ったり受け取ったりしたら全部保存しておけば問題ないです。

もうひとつ。ネットショップで販売した場合も考えておきましょう。

いくつかパターンがあります。

  • サイトで納品書が出力できる
  • 自分で納品書を作る

で、ここからがポイント。

印刷したものを入れるだけなら「任意」とも考えられるし、データを送信するなら「義務化」と考えられますよね。

ここではこう考えましょう。

「ネットを介したら全部保管する」

これが絶対簡単です。むしろ楽です。

具体的な方法はのちほど解説します。

なにをどうすればいいの?

こうやって聞くと「め、めんどくせぇ」と思いますが、電子化するメリットももちろんあります。

導入では確かにめんどくさいですが、一度ルーティーン化するとあとは楽。

「あの資料どこにあったっけ?」でサクッと出せるとかっこいいですよね(一人パン屋にはほぼ無縁ですが)。

で、保存においてはいくつかルールが存在します。

これを「電子帳簿保存法の3つの区分」といいます。

  1. 電子帳簿等保存
  2. スキャナ保存
  3. 電子取引

それぞれまとめておきましょう。

電子帳簿等保存

パソコンで作って印刷・郵送等した領収書や契約書などの書類はわざわざ印刷しなくてもPDF等の電子データで保存しておけば紙保存は不要。

もちろん印刷して紙保存も可能です。

例えば、仕訳帳・総勘定元帳・損益計算書や貸借対照表など。

ここには重要書類とよばれる請求書や領収証なども該当します。

スキャナ保存

郵送など、紙の書類として取引先から受け取った領収書や契約書の書類はスキャナを使ってPDF等にデータ化をして電子データ保存も可能。

その場合は紙保存は不要となる。ただし紙保存でもオッケー。

例えば見積書や注文書・申込書などお金の流れに直結しない一般書類も該当します。

電子取引

メール添付やクラウドへのアップロードで扱った領収書や請求書などは必ず電子データで保存しておくこと。印刷して紙保存だけではダメです。

まとめると下記の画像のような感じ。

なお電子データは原則7年間の保存が定められています。

データ保管にもいくつかルールがありまして、そのうち特徴的なのが「タイムスタンプ」と「検索機能」。

直接関係はしないのですが、まとめておきますね。

タイムスタンプ

タイムスタンプとは「スタンプを付けた時間にデータが存在していたこと」

「それ以降にデータが変更されていないこと」を証明する技術。

郵便物でいうと「消印」みたいなもの。

このタイムスタンプ。付与できるのは国が認めた機関のみ。

またデータを訂正・削除すると無効になります。

ちいさなパン屋においてはそのような厳重なものは存在しないかと思うので、タイムスタンプはスルーでいいでしょう。

検索機能

電子取引のルールの中に「検索機能をつけること」があります。

その名の通り、保管したデータを検索できるように義務付けられています。

が、こちらは特例があり「2年前の売上が5000万円以下は電子データの保存のみでいい」とあります。

一人運営のちいさなパン屋。

売上5000万円なんて遠く及びませんのでこちらもスルー。

…といいたいところですが、これに関してはデータの名前の付け方を工夫すれば検索できます。のちほど解説します。

この2つも画像にまとめておきますね。

薄々お気づきかと思いますが、我々のようなちいさな事業者は電子データですべて保管すればいいんです。解決策はそれです。

次の項目ではわたしが取り入れている方法を紹介します。

わたしが取り入れている方法

一旦「とりあえずデータ化しちゃえ」「んでもって保存しちゃえ」と分かったことと思います。

最後の項目ではわたしが取り入れている方法をご紹介しましょう。

ざっと2つに分けています。

一旦すべて紙で把握できるようにしています。

例えば仕入れをしたとしましょう。

  1. どこで仕入れたか仕分ける
  2. レシートのみなら保管袋へ
  3. 電子データはスクショしてクラウド保存
  4. そのデータを紙に印刷し、保管袋へ
  5. 帳簿入力時は紙で統一されている

電子取引に関わるものはデータとして保管し、帳簿をつけるときに探すのが嫌なので紙でも出力。

こうすることで帳簿を入力するときに紙だけに集中できます。

紙保管は月ごととし、ジップ袋に分けています。

で、帳簿自体は確定申告前に仕訳帳等をPDFで保存。

データだけだと怖いので、紙にも印刷して保管。

こんな流れです。

データを保管についてですが、これはどこでも大丈夫。

ただパソコンの中だけだと壊れたとき大変なので、クラウドもしくはUSBなどのがいいかと思います。

わたしはAppleのiCloudに保管し、さらに外付けハードディスクにも保管しています。

ここでのコツはファイルの保存方法。

できる限り小分けにしていきましょう。

一時保管」というファイルを作り、「領収書2024」というファイルを作ります。

さらに「2024〇〇」というファイルを作成。

〇〇は9月なら202409、10月なら202410と月ごとに分けます。

そのファイルにPDFなり、スクショなりを入れます。

そのとき一手間かけると検索しやすくなります。

例えば「Amazonで2024年9月1日に3000円の道具を購入」したなら、領収書のスクショなどに「20240901_Amazon_3000」と名前をつけます。

そうすることで検索画面で「Amazon」と入れるとこれまでAmazonで購入したデータが出てきます。

もう少し狭めるならキーワードを変えるだけ。

会社のような検索機能システムというわけではありませんが、最低限の検索くらいならこれで十分かと思います。

名前を変更するのは一手間ですが、その一手間がその後の時間短縮になるのでぜひ惜しまずにその都度入力しましょう。

なおこのファイルは一番大きな括りだと年ごと。

帳簿のPDFとともに「2024会計」でまとめておくと1年の会計管理のデータがすべて集約されたものになります。

今回のまとめ

今回は意外と知られていない「電子帳簿保存法について知っておこう」ということで、2024年1月1日よりデータ保存が義務化されたお話をしてきました。

パン屋はパン屋の業務だけに集中したい。

その気持ちはもちろんありますが、誰かに、何かに頼ろうとするとお金もかかります。

ちいさく、ゆるくはたらきたいわたしにとってはやれることは自分でやるのが鉄則。

すべてのことを自分でこなす必要があります。

これはとき孤独で、とてもめんどくさいもの。

でも全体的な自由度は抜群だったりします。

どうはたらきたいかは常に考えるもの。

わたしは面倒なことも受け入れて、自由をとった。

いやでも面倒は面倒ですよ。

ならむしろネタにしちゃえ!な気持ちでこうやって動画を上げているわたしです。

今後も「かゆいところに手が届く内容」をお伝えできればと思います。