今回は“配送ミスを防ぐためにわたしが実践している対策“を紹介します。
普段は通販メインのパン屋を運営しています。
パンは品質保持のため、クロネコヤマトのクール冷凍便で配送を行います。
冷凍便の配送では「-15℃以下で12時間以上の冷凍をした状態」での配送準備が必要。
そのため、前日に焼成し、翌日に発送処理を行います。
ちょっと長くなりますが、伝えたい内容なのでガッツリ解説します。
ぜひ最後までお付き合いください。
発送までの流れ
まずは注文が入ってから発送までの流れをまとめておきましょう。
- 注文を受ける
- 納品書を印刷する
- 注文された品をマステで仕分け
- 1日の焼成分をマステで仕分け
- パンの焼き上げ
- 梱包後、保冷袋に入れ中身のマステを貼る
- 1人ずつ棚を分けて名前のマステを貼る
- 送り状を印刷する
- 梱包後送り状を貼り、発送
わたしの配送ルーティーンではマスキングテープが大活躍しております。
中身が同じでも注文しているお客さんごとに伝票は異なるため、“どの荷物が誰のものか“分かるようにしておかなければいけません。
パッと見て分かるようにすることがミスを減らす一番の対策。
ではそれぞれ解説していきます。
1.注文を受ける
注文を受けたらそれぞれのサイトで確認します。
はじめてのお客さんは配送希望時間帯を確認し、特に返信がなければ時間帯は指定なしで準備します。
2.納品書を印刷する
それぞれのサイトで発行できる納品書を印刷します。
公式LINEでの注文のみ、パソコンで納品書を作り印刷します。
納品書を印刷したらクリアファイルに入れます。
入金がまだされていない場合は納品書が発行されないため、メモに名前と注文メニューを書いてクリアファイルに入れておきます。
このクリアファイルはこの後発送が完了するまで1人1枚使います。
健康診断の時のファイルのように最後までお供するイメージだね!
ショップカードなども一緒に入れておくと梱包する時にバタバタしないのでオススメ。
3.注文された品をマステで仕分け
クリアファイルそれぞれにマスキングテープで
- お客さんの名前
- 注文されたメニューを1セットずつ 記入します。
後から簡単に剥がせるように右側を折り曲げておき、メニューに関してはカッコで”〇〇さん”と小さく記載しておきます。
こうすることで「誰の、なんのメニューで、いくつ必要か」がすぐ分かります。
4.1日の焼成分をマステで仕分け
複数名の注文があった場合、4-5人ずつ発送できるように翌日以降の焼成スケジュールを組み立てます。
先ほどクリアファイルに貼ったマステを別のクリアファイルに全てまとめてメニューごとに分けます。
その後、仕込みのスケジュールを考えます。
ちなみに1セットは4個入です。
まずは個人のクリアファイルとは別のクリアファイルに全てマステをまとめます。
この中で同じタイミングで焼けそうなパンたちをまとめて仕込みを考えます。
今回の場合だと
- メロンぱん12個とざらめメロンぱん4個
- ウインナーロール8個
- はちみつぱん4個
- プレーンベーグル4個とシンプルプチパン4個
- しっとりスコーン(チョコ)4個
みたいな感じで1日の焼き上げメニューが決まります。
大体仕込みの単位が5-6個だとお昼には焼き上がるイメージ。
フードロスも考え、キリよく焼き上げられるのがベスト。
そのためご注文から発送まで1週間いただき、仕込みスケジュールを組み立てます。
5.パンの焼き上げ
仕込んだ生地を発酵がスムーズにいくように発酵器の段を考えながら焼き上げます。
6.梱包後、保冷袋に入れ”メニューのマステ”を貼る
熱が取れたあと、1つずつ袋に入れていきます。
冷凍用の保冷袋に入れて、メニューの書いてあるマステを袋に貼ります。
7.1人ずつ棚を分けて名前のマステを貼る
冷凍庫の棚が5段あるので1人1段で分けます。
このあと一晩冷凍。棚には名前のマステを貼ってパッと見て分かるようにしておきます。
8.送り状を印刷する
送り状印刷後に時間指定の連絡が来ることもあるので、送り状は発送日が確定したら印刷するようにしています。
最近はヤマトのビジネスメンバーズに登録したのでクラウドで送り状の準備をします。
クロネコメンバーズの場合はアプリで配送先を登録しておきます。
基本的には発送する分だけの入力とし、別の日に発送する分は入力しません。
9.梱包後送り状を貼り、発送
パンを箱に入れて、納品書とショップカードを入れます。
必ず1つずつ梱包を完了させます。
密封したら送り状を貼り、これで無事準備完了。
アプリで登録している場合は営業所まで名前のマステを箱に貼っておきましょう。
全ての作業を終えたらすぐヤマトに持ち込みます。
ビジネスメンバーズの場合はそのまま渡すだけ。
クロネコメンバーズの場合はヤマトのクロネコピットで送り状を印刷し、1枚ずつ自分で貼ります。
送り状の名前とダンボールに貼ったマステの名前が一致していることを確認。
マステを剥がしてスタッフさんに渡します。ここからはおまかせ。
発送後は発送伝票をもらえるので送り状番号をお客さんにご案内し、発送伝票を領収書ファイルにザバっと入れて終了!
以上が一連の流れでした。
なかなかのボリュームでしたね。
次の項目からはミスをしないために特に意識していることを解説します。
ポイント1*ルーティーンは変えない
一連の流れを聞いていかがでしたか?
多分「めんどくせっ!」と思ったことだと思いますw
しかしですね、ルーティーンにすればそこまで大変に感じなくなります。
むしろ”見える化”することで余計なことを考えずに作業ができます。
ざっくり頭でカウントしていたこともありますが、分からなくなるともう一度数え直し。
マステがもったいなく感じでも、消耗品と割り切る。
ミスをしないための投資と考えよう!
『マステを処分する=発送完了』のサイン。一目で分かります。
かつて『これから時代はデジタルだから、納品書もデジタルでいこうかな』と納品書を画像で送ろうと思ったこともありました。
が、やってみたらアナログの方が仕分けがしやすいことが発覚。
納品書がクリアファイルからなくなったら完了!という”見える化”をしたことでパッと分かる。
なので現在も納品書は紙で同封しています。
ポイント2*マステはメニュー用と名前用を用意
パンは仕込みのキリの良さを考えて1セット4個で販売。
焼き終えたら4個をセットにして1枚の保冷袋に入れてマステを貼ります。
このマステは”メニュー用”として用意したもの。
棚の中でごちゃごちゃにならないように1セット1枚ずつ貼ります。
これもミスをしない1つの対策です。
これとは別で名前用のマステを準備。
名前用のマステがあることで
- 最初のクリアファイルから外せば焼いたことが分かる
- どの棚に誰のパンが入っているか分かる
- 発送後は段ボールに貼るため発送したことが分かる
全ての作業が終了したら名前用マステは処分するため、一目で誰のパンを発送したのかがわかります。
これぞ“見える化“。
やはりマステはケチらずなるべく細かく仕分けがマイルールです。
ポイント3*詰め込みは必ず1つずつ完結させる
最後は梱包作業での対策。
ここでやりがちなのが、複数の作業を並行すること。
いわゆる”流れ作業”です。
どうせならローテーションで一気に仕上げたいもの。
しかし案外このローテーション梱包はミスが起きやすい。
特に伝票と名前用のマステが離れてしまうと「あれ?この箱って誰のだっけ?」となりやすくなります。
分かるように並べていても一抹の不安がよぎったら気になって仕方ない。
そうなるとテープで止めた後に再確認するには梱包を解かないといけません。
テープを剥がした跡がついてしまうし、確認する時間もかかる。
そもそもミスをしやすい環境なわけです。これではいいことがありません。
「1つの梱包は完了させて次へ進む」を徹底する。
1つ1つ手間はかかりますが、確実性を取るようにしています。
このルーティーンにしてからは発送作業でのミスは無くなりました。
今回のまとめ
今回は「配送ミスを防ごう!わたしの実践している対策を紹介!」ということで注文を受けてから配送までの流れや、ポイントをいくつか挙げて解説しました。
ポイントは”情報の見える化”。
最後に内容をまとめておきましょう。
配送後に「しまった!入れ忘れた!」ということになると再配送となり送料は倍かかります。
さらにお客さんをお待たせしてしまいます。
不安要素は減らせるに越したことはありません。
今回の内容で使える部分があればぜひ取り入れてみてください。