コロナをきっかけにこの数年で一気にECサイト(通販)が拡大しました。
わたし自身もまさにその一人で、イベント出店から通販に活動の場を移し、現在は通販メインで販売しつつYouTubeやブログ運営をしています。
以前「パン屋の通販という働き方」についてお話ししました。
通販、いわゆるオンラインショップの運営は大きく分けて4つの工程があります。
今回は一番初めの準備編!
“パンの通販を始める際にまず考えておきたいこと“について解説します。
「知ってますー」という内容が多いかもしれませんが、実際にやっていて必要だなと思った情報も補足していきますのでぜひ最後までご覧ください。
コンセプトを決める
パン屋、として通販を始めるわけですが”現時点”でどのような状態なのかで状況は変わってきます。
- これからパン屋を始める予定
- すでにイベントなどでパン販売をしている
- 店舗で販売をしている
この3通りが多いかと思います。
1つずつ考えてみましょう。
これからパン屋を始める予定
これからパン屋を始める予定であれば、通販からというのもいいですがイベント出店からスタートすることをおすすめします。
理由は「経験値」。
お客さんがどんなものを求めているかを実際に肌で感じることができます。
他のお店の偵察も出来ます。
お店によって活動の比重が違ったりするので参考になります。
販売しながら自分が店舗向きなのか、出店向きなのか、通販向きなのかもわかってきたりします。
もちろん初めから通販でもOKですが、安定するまでは時間もかかると思うのでぜひ空いた時間を見つけて出店も検討してみてください。
きっと何か発見がありますよ。
すでにイベント出店をしている
すでにイベントなどでパン販売をしている場合はさらなる自分のパンの特徴を探していきましょう。
天然酵母を使ってるとか、ちょっと珍しいパンを焼けるとかなんでもいいです。
わたしの場合は“シンプルもちもちパン“でした。
通販を始めるにあたってキャッチコピーがあるとサイトでパッとみたときに「ここはシンプルパンのお店か」とか「ここは天然酵母のお店なのね」などが分かります。
人によってはイーストのパンが苦手な人もいるし、逆に天然酵母が苦手な人もいます。
ハードなパンが好きな人もいるし、苦手な人もいる。
特徴がパっとわかると自分も売り込みやすいですよね。
すでに店舗運営をしている
すでに店舗を持っている場合、コンセプトはある程度固まっています。
この場合は今の状況にどう組み合わせて通販をしていくかを具体的に考えていきましょう。
- 受注生産していたらスケジュール的に難しいな
- セット販売だけにしよう
- 週に2日は通販の日にしよう
などいろいろと想定してみて、自分の働くペースを考えていきましょう。
1人で運営しているのか、スタッフがいるのかでもかなり生産量と作業量が変わってきますよね。
そのあたりも考えながら販売コンセプトを固めていきましょう。
わたしの場合は全ての作業を1人で行なっています。
4年ほどは出店メインで、違う活動もしていました。
その後2年ほどイベント出店と通販を両立し、今年に入り通販と定期販売にまとめました。動きとしてはかなりコンパクトです。
販売するサイトを決める
今後詳しくまとめていきますが、通販のサイトは大きく分けて3種類あります。
順に規模が小さくなっていきます。
ご自身がどんな働き方をしたいのか、で大きく変わってきますがAmazonや楽天などの規模が大きい販売は作業量が会社規模となります。
出店料もかなり高め。
「小さく働く」を考えている場合は現実的ではありません。
ちいさく働きたいから一番初めに除外したよ。
現実的に比較するとしたら
- minneなどの出店型
- BASEなどの個人商店型
出店型というのはminne 、Creemaに代表されます。
最近だとメルカリShopなんかも登場していますね。
出店型の通販サイト
ショップ自体を登録して販売するタイプのオンラインショップ。
ららぽーとやイオンなどを想像してもらえると分かりやすいです。
さまざまなお店がショッピングモール内に出店しています。
いろんな人が訪れるのでこれまで知らなかった人に見つけてもらえるかもしれない。
チラシが入る(通販でいうピックアップ)などで新しい人に知ってもらえるかもしれない。
ただしその分、少々店舗料(手数料)はかかりますね。
初めから通販を考える場合はこの出店型のサイトがオススメです。
個人出店型の通販サイト
個人商店型というのはその名の通り「お店を構える」イメージです。
商店街などを想像してもらえると分かりやすいですね。
独立しているため宣伝は自分で行うことになります。
BASEなんかはアプリ内で検索も出来るようなので出店型に近い個人商店サイトと考えていいかもしれません。
ここで必要になるのはSNSやHP。
知ってもらわなければ始まらないので、サバイバル感はありますがファンが増えるほどリピートしてもらえるのは大きいかと思います。
リピートが増えると手数料の差が大きくなってきます。
出店型と個人商店型。正直、一長一短。
どちらがいいとかどちらが良くないとかではありません。
相性や運もあります。
わたしのお話をしましょう。
数年前、仲間と個人商店型のオンラインショップを作りました。
が、宣伝がなかなか難しく閑古鳥。
このままではいかん!と思い、minneとCreemaに登録。
初めの半年はあまり注文が入りませんでしたが、minneのピックアップをきっかけに知ってもらえることが増えました。
リピーターさんも増えてきてくれたので2021年にSTORES でオンラインショップを始めました。
どちらかといえばオンラインショップはリピーターさんに還元したい思いが強く、3000円以上の購入で公式LINEのショップポイントを付与したり、6500円以上で送料を無料にしたりと手数料分を還元するようにしています。
現在はminne・Creema・オンラインショップの3つの柱で構成をしています。
売上の比重としてはminneが主戦力。
Creemaとオンラインショップが同じくらいで、直接購入も割とあります。
操作もそれぞれ違い、やはりSTORESなど自分でいじったオンラインショップは自由度が高くしかもなんとなくショップの雰囲気が出るのでかっこいいw
ここには挙げていませんが
- SNSのDM
- 公式LINEアカウント
からの直接購入という方法は費用がほとんどかかりません。
ただし個別の連絡や納品書の作成であったり、DMに気づかなかったりなどこまめにチェックと作業が必要なので実は手間がかかったりします。
わたし自身は直接購入という販売方法はサブとして考えています。
各種環境を整える
ある程度の活動の方針が決まってきたら次は実際に必要なものを揃えていきましょう。
- スマホ
- 出来たらパソコン
- ネット環境
- プリンター
- 梱包材
オンラインショップなので基本はネットを利用します。
ショップはスマホでも簡単に作ることが出来るのですが、パソコンでないと出来ない作業があったりします。
minneやCreemaはアプリがあります。
納品書を出す際はブラウザの方からログインすれば印刷も可能です。
BASEやカラーミーショップもアプリがありますが、STORESにはアプリはありません。
STORESの場合、納品書はパソコンからしか出せないという欠点があります。
スマホ1台でやれはしますが、全体を見たい時や細かい作業の時などはパソコンがあるとやはり便利です。
また納品書などの書類関係はパソコンがあると楽に作業出来ます。
配送するなら梱包するための箱が必須です。
これもまたどこに力を入れたいかという部分にはなります。
全てをオシャレにしたいならちょっと変わった形の箱にしたりロゴを印刷してもらったりするのもいいですよね。
わたしは「パンをなるべく手の取りやすい価格で」という部分を重視したのでダンボールはごく普通のものを使っています。
60サイズと80サイズを基本サイズとしています。
80サイズは2種類用意して、量が多いときは大きい方の80サイズを使います。
1回の仕入れで100枚とか160枚を仕入れます。
何気にダンボールの保管場所がネックだったりします。
ダンボールの保管は工房裏の倉庫を利用しています。
パンがスカスカだと配送中に動いてしまうので緩衝材も必要です。
これもオシャレなものもありますが、衛生面も考えて無地の新聞紙を購入しています。
10kgで2500円程度。
半年くらいはもちます。
ダンボールそのままは味気ないので、作家さんに屋号のスタンプを作ってもらい、押しています。
消耗品で費用を抑えるならスタンプはオススメです。
実際このくらいの用意があれば通販を始めることが出来ます。
パンのラベルを1つずつつけるのか、原材料表を作るのかなどどんなテイストで販売したいのかで必要なものは変わってきます。
あとはテーマカラーがあると統一できますよね。
デザインの基本では3色までがいいらしいとのこと。
ベースカラーとアクセントカラーは考えておきましょう。
わたしは「くすんだグリーン・カーキ・ホワイト」の3色。
ミリタリーが好きだった名残が存分に残ってるねw
ブログもその色で統一しています。
色自体は反転させていてベースカラーはホワイト、アクセントでグリーンとカーキを入れています。
自分の好きな色だと気分もノリノリで作業出来るし、ショップカードを作るときも楽になります。
配送業者決め
最後に大事なのは『配送業者』。
ここもどの部分を重視するか考えます。
近くの配送業者で配送を楽にするのか
価格重視で安い業者にするのか
おそらく
- クロネコヤマト
- 佐川急便
- 郵便局
から選ぶことになりますよね。
詳しい内容を話し始めると長くなるので、今回はわたしの決断した経緯をまとめます。
利用しているのは『クロネコヤマト』です。
理由は「自宅から車で1分」だから。
品質保持のため”クール冷凍便”を利用します。
冬場はまだいいのですが、夏場は梱包している段階から暑いのでそこから持ち込むだとかなりのタイムロス。
なるべくいい状態でお届けするには近い業者の方がいい、ということで決めました。
- 持ち込み割
- デジタル割
- メンバーズ割
を駆使して、関東から関西エリアはクール冷凍便でも900円を切っています。
集荷してもらうこともできますが、その分”持ち込み割”がなくなります。
そして気になるのが『待ち時間』。
指定するとしても14-16時など2時間のどこになるのかわかりません。
なら持ち込んだ方が早い。
クール冷凍便だから梱包して放置するわけにもいかない。
集荷にきてから梱包を始めたらヤマトさんにも迷惑をかけます。
それらを考慮した結果、自分で持ち込むことにしました。
自分の住んでいる地域で送料も変わってきます。
そもそも沖縄からの発送であれば、どの地域に送るにしてもある程度の送料はかかります。
また忘れてはいけないのが通販サイトでは『商品+送料』に対して手数料がかかるということ。
パンの通販はデジタルのものではなく、実物が届くタイプの通販。
送料を考えたときに「あ、自分の方法で通販は現実的ではないかも?」と思うかもしれません。
そんなことも考えながら通販を始めるかどうかを判断する必要がありますよね。
わたし個人としては性格的にも通販向きかなと思ったのでその部分はどう消耗品などをうまく仕入れることができるかに比重を置いて通販に専念することに決めました。
今回のまとめ
今回は「パン販売で通販を始めるときに考えておきたいこと」についてまとめました。
最後に内容を軽くまとめておきましょう。
わたし自身、ここまで考えて通販を始めてはいませんでした。
通販始めたての3年前は今よりもパソコンが致命的に使えないタイプだったので1つの作業につき毎回ワタワタし、時間もかかっていました。
少しずつ作業にも慣れてきてアイテムを増やしてみたり、メンバーズのグレードを上げてみたり、今でも日々模索中。
わざわざ時間をかけて自分のパンを見つけて選んでくださるお客さんにいかに自分なりの感謝を込めて焼き上げ、発送が出来るか。
刻々と過ぎていく現代ですから、現状維持は逆に難しいこと。
変化を柔軟に受け止め、まだまだ頑張ろうと思っています。