普段「パン屋さんになるため」の内容が多めですが、今回は原点回帰。
『ズボラなパン作りに使える道具たち』をご紹介します!
”コンパクトに働く”をテーマに動いていると機材もそれ以外の道具たちも家庭用で十分。
大きさは一番大きいオーブンでも普通の電子レンジがちょっと大きくなったくらい。
もしキッチンに場所がとれるならぜひ置いて欲しい道具たち。
小さくパン屋さんを始めたい方にもおすすめだよ。
今回ご紹介するのは、
- こね機
- 発酵器
- オーブン
- 地味だけど使える小道具たち
工房の様子は過去にルームツアーをしています。そちらも合わせてご参考ください。
オススメの道具1:こね機
おうちでのパン作りは手でこねるのもいいですが、何回か続けていると機械のが楽だなーと思ってしまうもの。
わたしはホームベーカリー2台を経て、現在は日本ベーカリーのこね機に落ち着いています。
ザッと特徴をまとめておきます。
- 大きさ:高さ323mm×幅367mm×奥行230mm
- 重さ:約5.5kg
- オープン価格(目安35000円)
- 粉量:250-600g
- スピード調整、タイマー設定が可能
- パン、うどん、お餅などの生地作りができる
- ニーダーは”こね機能”に特化した生地作り専用のこね機
- ホームベーカリーに比べて仕込める粉の量が多い
- 外釜方式なので熱がこもりにくい
- ポットは取り外し可能で洗うのも簡単
- 別売りポットがあれば仕込みがスムーズ
こね機は現在は同じものを2台所有。
ポットもいくつかあるので時間差で生地を仕込んでいます。
ホームベーカリーに比べて高いのは否めませんが、たくさん生地を仕込みたかったり、パン教室の仕込みには最適。
「パン屋なんだから大きいこね機を買えばいいのに」と思うかもしれませんが、オーブンは3段。
ある程度生地を離した場合600gの生地でちょうど1回の焼成になり、仕込みとしてはキリが良くなります。
250gからこねることが出来るのでちょっとだけ仕込みたい時にもベスト。
家庭用としても、わたしのようなちいさなパン屋としてもちょうどいいサイズです。
発酵の時間差を利用してたくさん焼きたい人にもオススメ!
オススメの道具2:発酵器
発酵器は以前ご紹介しましたが、日本ニーダーの「洗えてたためる発酵器」を使っています。
こちらも特徴をまとめておきます。
- 大きさ:幅498mm×奥行424mm×高さ455mm
- オープン価格(目安50000円)
- 重さ:7kg
- タイマー:1分〜24時間
- 温度設定範囲:20-45℃(室温以下は不可)
- 組み立て式の発酵器で掃除が簡単
- 天然酵母やヨーグルト、塩麹などの発酵にも使える
- こね機のポットごと入れることが出来る
- ドアを左右とどちらにも取り付けることが出来る
この発酵器のいいところはなんといっても掃除のしやすさ。
長期連休の時には分解して、水洗いできるものは洗って消毒をします。
3台所有しており、一番古いものは8年モノ。
長く使えるのもいいよね。
天板ごと入れることが出来る横長仕様なので、トレーなどで生地を発酵させて焼くときはそのままシートごと天板に移すことが出来ます。
電子レンジの発酵機能でも十分発酵は出来るのですが、予熱の時に外に出すので温度が下がったり表面が乾燥します。
大きさとしては大きめの電子レンジくらい。
キッチンに置くとしたらそれなりの場所を取りますが、パンを作るのが好きな人は持っていて損はないです。
オススメの道具3:オーブン
オーブンも以前ご紹介しました。
こちらは「リンナイの卓上コンベック 涼厨タイプ」を使用しています。
コンベックはガスの熱風を循環させ庫内温度を一定にキープするオーブンのこと。
特徴をまとめておきます。
- 大きさ:高さ586mm×幅470mm×奥行645mm
- 価格:オープン価格(目安16万円)
- 温度調節:イースト発酵(35/40/45℃)
- オーブン機能:100-300℃、5℃間隔
- オーブン皿は3段同時使用が可能
- 温度と時間の設定を9つのメモリーに記憶させることが出来る
- 涼厨(りょうちゅう)タイプはキッチンが暑くなりにくい
ガスオーブンで焼くパンは電子タイプに比べて火力が強く、焼きムラが少ないです。
このオーブンは電子レンジを2回りくらい大きくしたサイズ感。
いわゆるパン屋さんではもっと大きなオーブンを使っていますが、通販メインでちいさく働きたいわたしには3段という量はちょうどいいです。
このオーブンを基準として考えると発酵器・こね機もサイズ感としてはバランスがとれます。
天板で挟んで焼くこともあるのでオプションで3枚追加し、合計6枚で普段は焼き上げています。
使える小道具たち
ここからは小道具たちをご紹介していきます。
- シリコンマット
- スケッパー
- ガス抜き綿棒
- スケール
- 霧吹き
パン作りに欠かせないものなので、すでに持っている方も多いかもしれませんがわたしが長年愛用している道具をサクとまとめていきますね。
他にはふるいやボウルなどもありますが、こちらはごく一般的なもので十分なので割愛します。
ではそれぞれ特徴をまとめていきます。
シリコンマット
- 大きさ:50cm×40cm×0.1cm
- 材質:シリコン
- 価格:約1000円
このシリコンマットは8年ほど前に母から教えてもらい、愛用しています。
大きさもしっかりあるので、生地を休ませながら違う作業も出来ます。
4枚所有しており、随時洗って使っています。
キッチンでエンボス加工してあるとフィットしにくいのが難点ですが、洗いやすさと保管のしやすさは最強。
目盛りがついているのも何気に便利。
パン作りをするなら絶対持っておいてほしいアイテムです。
スケッパー2種類
スケッパーは2種類持っています。
ステンレス製とポリエチレン製。
- ステンレス製:100均でも購入可能、生地をカットしやすい
- ポリエチレン製:クッキー生地を作るとき便利、柔らかく作業しやすい
ステンレス製はパン作りに、ポリエチレン製はクッキーやスコーンで使っています。
1つだけ選ぶなら万能なポリエチレン製。
パン生地をカットするときに手に食い込むのでちょっと痛いのが難点。
ステンレス製は100均のもので十分なので2種類あると使い勝手ヨシです。
ガス抜き綿棒
- 大きさ:直径34mm×長さ250mm
- 重さ:85g
- 価格:約700円
- 食器洗い機は非対応
気泡のないパンを焼くならガス抜きめん棒!
表面の凹凸で空気を抜いてくれます。
長いサイズもありますが、どちらでも大丈夫です。
シナモンロール、ウインナーロールなど生地を伸ばす成型のあるパンを焼きたい方には必須アイテム。
スケール2種類
スケールは粉を測る用とイーストを測る用で2種類。
イーストは慣れてきたら計量スプーンでもオッケーです。
冷蔵発酵を初め立ての方はスプーンスケールはあったほうがいいでしょう。
- 計量の範囲:0.3-300g
- 価格:約2000円
- スプーンタイプのスケールは液体も測れます
- 冷蔵発酵のパンではイーストは0.5gなので初めのうちはあると便利
- 重量制限:1kg
- 計量単位:1-3g
- 価格:約1500円
- 単4電池、お安い、画面が大きいとても使いやすいスケール
- タニタに関わらず1g単位で測ることが出来ればどれでも大丈夫
霧吹き
- 容量:500ml
- 価格:約1300円
- 食品衛生法に基づく基準に適したスプレーボトル
- 表面をパリッとさせるのに霧吹きはあった方が便利
- パン屋として使うのであれば食品衛生法の基準に満たしたものを
以上、オススメの道具でした。
過去にルームツアーで紹介もしているのでそちらも参考にしてみてください。
今回のまとめ
今回は「プロ用の道具ほぼなし!ヘビロテアイテムを紹介!」ということでちいさくパン屋として働くわたしの愛用している道具たちをご紹介しました。
最後に内容をまとめておきます。
こうやってまとめていると「家庭でのパン作りに毛が生えたくらい」の規模でパンの製造・販売をしているということがよく分かります。
パン作りは習ったこともなく、基本は独学。手探り。
裏を返せば工房の許可さえ取ることが出来ればパン屋さんになるということは実はそこまでハードルは高くないように思います。
わたしの場合はたまたま自宅の隣にあったイナバの物置を改装することが出来ました。
ただし、今の工房は2つ目で一番最初に許可を取ったのは実家の一室でした。
特に実家の一室については電気・ガス・水道の条件も整っていたのでほとんど資金がかからず整えることが出来ました。
物置の改装に関しては電気・ガス・水道を通すところからだったのでその部分に費用はかかりましたが、自宅の真横ということでわたしの仕事部屋としても活用しております。
”場所などの条件の運が良かった”といえばそれまでですが、「今ある条件でどこまでやれそうだろうか」を考えて活動の規模を決めてきたのも事実。
ちいさくパン屋さんをはじめてみたいなという方にはまず身近に揃えられそうな道具を揃えてパン作りをしてみてください。
ある程度の数が焼けるようになったらレンタルキッチンを借りてみてイベントだけ出店してみる、など許可がなくてもパン屋として活動することは出来ます。
出店してみると焼いているだけでは気づかなかった現実を知ることも出来ます。
甘い世界ではないことも確かです。
でもそれは捉え方次第。
人と出会えて、自由で、楽しいお仕事でもあります。
これからもパン屋さん運営に役立つ情報を発信していきますね。