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パン工房の話

【サンドイッチも販売できるの?】パン屋と法改正のハナシ

現代は情報社会。

ルールもこまめに変わってきています。

「前はこうだったな」と思っていてもルールが変わっていたら、良いことも悪いことも知らずに暮らすことになります。

そして知らずに損をするのは自分

というわけで今回は「パン屋と法改正のハナシ」ということで、パン屋さんにまつわる法律についてまとめてみました。

おぱんくん

お堅いハナシではないから安心してね!

専門家ではないので、詳しい部分は調べていただければとは思うのですが、最近変わったルールや今後変わるルールをパン屋目線でざっくりお話していきます。

食品衛生法に関しては現在菓子製造業の許可のみで活動している人にはいい話もあったりしますよ♪

ぜひ活動にお役立てください。

この記事の動画はこちら

食品衛生法の法改正(軽食、サンドの扱い)

2021年(令和3年)に食品衛生法が改正されました。

その中で大きく変わったのは

  • 菓子製造業許可でもサンドや軽食が提供できる
  • HACCPが義務化された という部分になります。

それぞれ項目ごとにまとめていきます。

軽食の扱いについて

飲食の営業許可は2種類あります。

飲食店営業許可はカフェやレストラン。

菓子製造業許可はパン屋さんやケーキ屋さんでしたね。

【許可検査って何をするの?】菓子製造許可のハナシ今回はちいさなパン屋やお菓子屋さんを始めるのにわざわざ誰かに相談するのもなーーとお困りの方に向けて、菓子製造業許可についてまとめてみました。許可の更新の話も入れています。ぜひご参考ください♪ ...

その場で食べるかorテイクアウトなのかの違いでした。

法改正に伴い、この部分がかなり変わりました。

簡潔にまとめると

  • 軽食であればその場で提供することが可能に
  • 菓子系のサンドイッチが提供可能に

これまで菓子製造業許可では「商品は個包装して渡す」のが基本でした。

お客さんが食べる場所などの提供は出来ません。

多くのパン屋さんやケーキ屋さんも購入するだけの場合が多いですよね。

それが法改正により「テーブルと椅子を置いて、ドリンク一杯程度なら提供可能」になったのです。

ご飯ものは飲食店許可の範疇になるので出来ません。

どこまでが“おやつ“で、どこからが“ご飯“なのかは提供する側に委ねられているところがなんとも言えませんが、少なくとも菓子製造業側としてはやれることが増えた形です。

サンドイッチの扱いについて

次にサンドイッチのお話をしましょう。

こちらも明確なラインはないらしいのですが、「菓子系のサンドは提供してよし」となりました。

【サンド系の販売が可能に!】菓子製造業許可の範囲が広がった!2021年6月1日より食品衛生法が改正されました。これまでよりも菓子製造業許可の範囲が広がり、メニューへの影響もありそうですね。全ての事業者がすぐに適用というわけではないので注意が必要です。...
  • フルーツサンド
  • あんバタサンド
  • クッキーサンド はオッケー。

カツサンドは“ご飯になるもの“だから範囲外。

不思議ですよね。

ちなみにカレーを中に入れたカレーパンは“パン“なのでオッケー。

おぱんくん

カレーをサンドしたら多分アウトだねw

ウインナーやハム、ベーコンなどはサンドではなく中に入れ込んで焼けばいいので無理せず範囲内での提供にしましょう。

要は「焼きおわったパンをこねこねしないで。」ということ。

ホットドックは焼き終わったパンをカットしてますもんね。微妙です。

ならフルーツサンドは?と思いますが、それは菓子系だから“おやつ“。

よくわからない線引きですが、こちらも菓子製造業許可としてはこれまでよりグンと範囲が広がったので良しとしましょう。

自治体により範囲がかなり異なりますので、必ずご自身の管轄の保健所の範囲に従うようにしてください。

現在菓子製造業許可を保持している場合は、更新後に適用となります。

食品衛生法の法改正(HACCP義務化)

食品衛生法の法改正のもう1つの目玉は「HACCPの義務化」。

こちらは以前ガッツリ記事にしています。

HACCP義務化!パン屋としてやるべきこと。2021年6月からHACCPにおける衛生管理の実施が義務化となりました。全ての飲食店が対象となり、自分のお店仕様の衛生管理が必要となります。 今回はHACCPの概要から記録する媒体までオススメのものをご紹介します。横文字にビビらず、資料を読んでいくと実は普通なこと。衛生管理を実施してお店を守っていきましょう!...

ここではサクッとまとめておきます。

HACCPとは『食べ物を扱う人は仕入れから製造までを管理してね』というもの。

HACCPは“衛生管理のルール化“を記録したもの。

2021年よりHACCPに沿った衛生管理の実施が全飲食系の事業者に必須となりました。

やることはそんなに難しくありません。

HACCP義務化でやること
  1. 危険な要因を見つけておく
  2. 衛生管理計画書を用意する
  3. 毎日の衛生管理を記録する
  4. 記録は保存する
  5. 定期的に見直す
  6. 従業員がいれば共有しておく

わたしの場合は衛生管理計画書は作成して書面で保管をしておき、日々の衛生管理はアプリで行なっています。

営業許可の更新の時に「HACCPの記録とってますか?」と聞かれたらすぐにアプリを見せれるようにしています。

実はこれだけ。

「食べ物を扱うから衛生管理をしっかりする」というのはどの飲食店も同じかと思います。

それを記録として残す義務が始まったというのが2021年の食品衛生法の法改正のタイミングだったようです。

聞かれるタイミングはあまりないようですが、いつ聞かれても提出出来るように用意しておきましょう。

電子帳簿保存法

こちらは仕入れの時に関係してくる『電子帳簿保存法』という法律になります。

2021年10月に改正されました。

ネットでの仕入れに伴う領収書の電子データの保存が必須になりますよ」ということ。

実は過去にブログでガッツリ解説しています。

【電子帳簿保存法改正】全事業主の電子データ保存が必須になる!2021.10の法改正により、全ての事業者がECサイトでの仕入れに伴う領収書の電子データ保存が必要になりました。これは2022.1からは義務となります。今回は備忘録がてらまとめてみました。義務なのでやらないと違反になってしまいます。一緒に覚えて対策しましょう!...

ここでは関係する部分に特化してまとめていきます。

仕入れというと主に2種類あります。

  1. 店頭で購入する
  2. オンラインショップで購入する

店頭で購入した場合はレシートや領収書がもらえます。

それを残しておいて会計ソフトに入力すれば大丈夫です。

オンラインショップで購入すると領収書が発行されますよね。

紙が荷物と一緒に入っている場合と自分でダウンロードする場合があります。

これまでは紙に残しておくだけで大丈夫でした

なので紙で送られてきて、領収書のデータがない場合は紙のまま。

今は法改正に伴い『電子データの場合は保存しておく義務が生じている』というのがポイント。

“ネットで買ったら電子データで領収書を残しておいて“ということ。

適正に保管していないと青色申告が取り消されることもあるようです。怖い怖い。

ただ帳簿の入力などで確認したい場合は紙と電子データの両方があっても特に問題はないとのこと。

ここでもう1つ覚えておきたいのが『売上1000万円以上の場合は3つの要件を求められる』ということ。

売上1000万円未満の場合は“検索の義務化“はありません。

”電子データの保存義務”はあります!

帳簿の入力の時は印刷しておいたものを見て入力します。

やり方は人それぞれかと思いますが、個人的には「入力するものがすべて揃っている」方が楽なのでそうしています。

どちらにしてもデータの保存義務はすべての事業主に関係してきますので、ECサイトで仕入れをした場合は忘れないようにしましょう。

インボイス制度

インボイス制度」という言葉。

最近よく聞きますよね。

インボイス制度とは2023年10月から始まる制度。

正式名称を「適格請求書等保存方式」といいます。

インボイス制度に登録すると13桁の登録番号が付与され、その番号を請求書に記載することが義務付けられます。

今までは事業者がそれぞれ好きな形式で請求書を発行出来ましたが、この制度が開始されると”決められた形式での請求書や領収書”=”適格請求書(インボイス)”を発行しなければいけなくなります。

また交付した側はその写しを保存しておく必要もあります。

その後、そのインボイスを利用して“仕入れ税額控除“を適用して消費税の手続きをすることになります。

インボイスは売手と買手の税率と税額の認識を一致させる目的があります。

年間の売上が1000万円を超えており、これまでも消費税を納税していた課税事業者は登録が必要です。

大きな企業は登録をしているかと思います。

インボイスで肝になるのは年間の売上が1000万円未満の業者

インボイス制度では今まで消費税を納税していなかった免税事業者(売上1000万円以下の事業者)も登録することが可能です。

ちなみにこれは“任意“なのですが、それにより影響してくることがあります。

登録した場合は年間売上が1000万円以下でも消費税の納税義務が発生します。

年間所得ではありません、年間「売上」です。

経費を差し引く前の数字です。

かなり大きな変化になるわけですね。

インボイス制度は事業者にかかる消費税のルールが変わるため、事業者はインボイス制度の登録事業者になるかどうかを選択することになります。

出品するときの相手が「個人」なのか「企業」なのかが重要。

ポイントは『消費税』でしたね。

ここで消費税について知っておきましょう。

免税事業者が消費税を免除されていることは合法です。

なのでこのままインボイス制度に登録しなくても企業とお仕事は可能です。

ただ、企業など”課税事業者”を相手にする事業者はインボイス制度に登録しない場合、最悪契約打ち切りなどの可能性が出てきます。

しかし先ほどお話した通り、登録した場合は”売上が1000万円以下でも消費税が発生してくる”のです。

取引の相手が「個人」なのか「企業」なのか。

個人対個人というのは例えば美容院、学習塾、個人に販売するパン屋。

主に提供したものは個人消費となります。

消費者側が何か経費にするということもありません。

この場合はインボイス制度に登録しなくても影響はありません。

これが個人対企業(店舗)の場合。

関係してくる分野としては企業に納品している事業の方ですね。

わかりやすいところで言うと漫画家や声優、デザイナーなど。

この場合は相手の課税事業者側が”消費税を経費にできなくなる”ため、値下げ交渉や契約打ち切りがあっても不思議ではありません。

現在消費税は8-10%。

100万円なら8−10万円。

200万円なら16−20万円。

大きな金額が動くことになります。

登録するかどうかは慎重に判断をしましょう。

登録を受けると「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」で登録番号や氏名、名称などの情報が公開されます。

その部分も理解しておくようにしましょう。

登録申請手続きはe-taxでも出来ます。

今回のまとめ

今回は「パン屋と法改正のハナシ」ということで、パン屋にまつわる法律と最近の変わったことについてまとめました。

最後に内容をまとめておきましょう。

個人的にはとてもズボラな性格です。

周りには「しっかりしている」と思われているみたいですが、「アウトプットしているからアンテナを張っている」だけ。

きっと動画や記事などにしていなければスルーして指摘されてから「やばー」と対応していることでしょう。

わたしにとってはすべてが勉強。

また何か変化があればまとめていきますね。