今回は「ちいさなパン工房の間取りを考えよう!」ということで、わたしの工房のこれまでの配置をまとめてみました。
これまで2回模様替えをしたのですが、どうやら働き方を変えるタイミングで無意識に模様替えを行なってきた様子。
現在は“通販スタイル“という感じで作業に重きを置く配置となっています。
そのあたりも含めて、どんなことに注意してきたかも合わせて解説します。
必要なものは必ず設置
↑↑わたしのパン工房の見取り図がコチラ↑↑
ただの四角ではありません。上から見たイナバの物置。
入口は1つ。窓は2箇所。
もともと農業用の機械などを入れていたので片側はシャッターになっています。
衛生面を考えてシャッター部分は壁にし、物置として使用できるようにしました。
部屋として使える面積は約12帖ほど。
以前、工房の許可について記事にしましたが、厨房にはいくつかの要件があります。
確実に必要なものが
- シンク3つ(蛇口は全てレバー式)
- 冷蔵庫
- オーブン
- 作業する机
- 焼き上げたパンを置く棚
- 材料を保管する棚
これらは施設要件に記載されているものであり、検査を通るために必須。
どれもそれなりに場所を取るものになります。
大きさを踏まえた上での配置をしていく必要がありますね。
許可を取った時(2015年)の配置がこんな感じです。
長い机がちょうど物置の幅にハマったのでここに配置してみました。
大きな机はパンを焼き上げた時用の棚であり、パン教室をするときに生徒さんが作業する机でもありました。
教室の時はわたし自身はステンレスの机(作業机)で作業。
生徒さんは大きな机に4名ほど机を囲むように立ってもらいます。
それぞれシリコンマットを敷いて作業し、みんなでお話ししながら成形できるようにしました。
教室として考えるのであればこの配置はワイワイ出来てよかったし、この時期は主催していたイベントの打ち合わせ場所も兼ねていたのでみんなで机を囲んで話すというのにも適していました。
ただ大量にパンを焼くイベント出店の時は真ん中の机が本当に邪魔でw
オーブンから発酵器までの距離もすごく長く、基本的にあっちこっち移動するので体力的にキツかった。
あと何気に真ん中に大きな机があることで圧迫感があり、工房内が狭く感じていたような気がします。
動線を考えた配置
工房を使い始めて半年ほど。
ここでちょうど教室運営を終えるタイミングとなりました。
今後工房では教室は行わず、基本的に「パンの製造」のみを行うことになるということで大きな模様替えを決断。
新しい配置がコチラ!
- 長い棚が窓際へ移動
- 真ん中にあった机を右上に移動
- その机に小さい棚を配置
- 間にステンレスの作業机をハメる
- 移動できる折りたたみ机で置き場の確保
工房の中心部が一気に空いて、自由自在に動けるようになりました。
かなり作業効率が上がり、無駄な動きが減りました。
この時は出店が月に3回ほど。
通販はまだしていなかったので、梱包用品は少なめでした。
かれこれこの配置は2、3年継続した気がします。
ただところどころ収納の効率が悪い。
もう少し効率良くしたくてさらに模様替え!
こうして出来上がったのが今の収納スタイル。
- こね機が移動できる机の上に変わった
- それに伴い長い机の上の場所が広くなった
- 大きい机にコンクリで棚を作った
- 大きい机の下は段ボール保管場所も兼ねる
- 小麦粉は長い棚に収納できるようになった
- 収納ケースを購入した
通販を始めて確実に荷物が増えたはずなのにほとんど使っている場所は同じ。しかも収納できています。
この模様替えで大きかったのが「収納ケース」。
中身の見えないタイプを山善で見つけ、ピッタリにハマるように計算して購入しました。
これまで適当に入れていた小物たちの定位置が決めたことにより頑張ることなく毎日同じ状態に戻せるのも特徴です。
こね機はこねる時以外に使わないので移動できるようにして焼き上げたパンの置き場を広くすることに成功。
働き方に合わせて模様替え
こうして2回目の大きな模様替えを終えたわけですが、「メインの働き方に合わせた配置にしている」ということに気づきました。
- 初期:教室と打ち合わせスペースも兼ねていた
- 1回目の模様替え:出店のみになったため作業メインの配置
- 2回目の模様替え:通販メインになってモノが増えたため加味した
性格的に『一番効率よく動くためにどうしたらいいか』を常に考えるタイプだからかと思われます。
人はどうしても一番初めの設定をキープしておきたいもの。
わざわざそれをこねくり回すだなんてめんどくさいし、「うまくいかなかったら結局戻すんでしょう?」と思いますよね。
でもわたしの場合は単純に模様替えが好きなこともあり、苦ではない。
それよりも『余計な動きをするその時間の方がよっぽど勿体無い』と思ってしまうのです。
一番初めの配置からの模様替えをめんどくさがってあっちへこっちへ毎回移動するのと、働き方に合わせてガッツリ1回模様替えをして動線をサクッとさせるのと。
どっちが良い?と聞かれたら、わたしは迷わず動線命。
望まない回り道をして合計30分時間をロスしている間に何か違う作業が出来る。
30分あったらヤマトの送り状の入力も余裕で出来ちゃうね!
一番よく使う作業をいかに効率よく行えるかを考えて、ちょっとの手間をかけて動線をさらによくする。
確かに長い棚の移動は大変です。
全ての荷物を出さないととてもじゃないけれど重くて移動させられない。
年に1回ゴキジェット的なものをやるのであればその時に荷物を外に一気に出しますよね。
ならその時についでにやっちゃっても良いわけで。
自分が出来そう!と思うタイミングをぜひ見つけてみてください。
随時収納の見直しをする
最後は収納の見直し。
簡単に言っちゃうと「たまに断捨離しようぜ」ってやつです。
パン屋も作家なので新しい商品を作っていきたいもの。
ってことは新しい型とかが欲しくなる。
でも収納の場所がない!なんてこと、よくあります。
そんな時、必要のないものは捨てましょう。
絶対にどこか使ってなくて放置されているもの、ありますよね。
個人的にモノを捨てることにためらいがほとんどありません。
「使えるかもしれない」ものは『使わない』。
「もしかしたら使うかもしれない」ものも『使わない』。
本当に使うならとうの昔に使っています。
でも普段使ってない、ということはホラ。使わないって。
てなわけで、ときどき全部出して収納の見直しをしましょう。
絶対空間が空いてきます。
で!空いたからといって新しい道具を買ったらいけません。
その前に今はみ出ているものを入れましょう。
ありますよね。戻そうと思ったけど戻してないもの。
大体それって毎回同じもの。
おそらく定位置の場所が悪いんです。
もっと戻しやすい位置への移動がベスト。
こう考えていたら、自分のパンのレパートリーが少ない理由が分かってきました。
多分、考え方がミニマリスト寄りだからですねw
これはこれで個性、ということでこのまま進もうと思っております。
収納はときどき見直し、無意識にはみ出てきた小物たちを入れるスペースをとる。
同じように頭の中身も整理整頓。
きっと収納がスッキリするとそんな意欲も湧いてきますよ♪
最近「やる気に頼らずすぐやる人になる37のコツ」という本を読んだのですが、なかなか面白かった。
「やらなきゃ!」というやる気は必要ない。
「なぜやるのか動機づけをすれば自ずと動く理由ができる」。
こんなような内容が書いてありました。
めんどくさいかもしれませんが収納を見直して、自分の焼いているパンを見直して、どんな風に焼いていこうかなーなんて考える機会にしても良いかもしれませんね。
今回のまとめ
今回は「ちいさなパン工房の間取りを考えよう!」ということで働き方に合わせて変えてきたわたしのパン工房の配置をまとめました。
ポイントとしては
- 今、一番動きやすい配置にする
- ときどき見直して、頭の中もスッキリさせる
- 働き方に合わせて模様替えする
わたしの場合、実は自宅もかなり模様替えをしております。
と同時に自分の傾向が読めてきました。
- 家の中が散らかってきている時や、家事がめんどくさいなと思うときは自分の頭の中がキャパオーバーになっていることが多い。
- 本をやたら読みたくなる時はやりたいことを悩んでいる時。
- 日記を始めたくなる時は自分探しをしたい時。
普段なるべくスッキリした生活を心がけることでちょっとリズムが崩れてきた時のバロメーターになっています。
夫から「ねえパジャマどこ?」と聞かれるときは洗濯物を元の位置に戻すのがめんどくさいくらい他のことに頭を使っていることが多い。
そんな時はその次また指摘されたタイミングは大抵の場合、やることが多くなっている時。
そんな時は「一回リフレッシュするか!」とちょっと買い物をしますw
リフレッシュしたら1つやることを減らしてリスタート。
ちょっと余裕が出てきたらやりたいことを1つ増やして、そんでまた家の中が散らかってきて見直し。
こんなことを良いのか悪いのかずーっと繰り返しています。
工房の間取りも同じで、片付けが追いつかない時は心の余裕がない時。
基本的には毎日同じ状態に戻すようにスケジュール管理をして、適度な余白を作るようにしています。
上がる、落ちるの周期を繰り返しながら成長する。
ほんの少しでも成長していれば良いんです。
そんな工程を楽しめば良いのかなーなんて思ってます。