今回は「ネットショップをはじめたいけれど、なんだか一歩が踏み出せない」方向けのお話。
人間、やったことがないものは怖い。でも一歩踏みだすと世界が変わることがあります。
わたしもまさにその1人。コロナで主軸にしていたイベント出店がすべて中止。
ちょうどそのタイミングで動きはじめていたネットショップ。
ここぞとばかりに宣伝しまくり、運よくここまで持ち堪えてきました。
デジタルが弱いとかそんなことではなく、未知の世界って怖いものですよね。
この記事ではネットショップ運営の準備に焦点を絞って解説していきます。
次はスマホ1台でショップ運営をする方法もお伝えしていきます。
ぜひ一歩踏みだす勇気を持ち、ちょっとだけ動いてみてください。
踏み出せない理由を考えてみる
以前こちらの記事を更新しました。
なぜデジタルを怖がる人がいるのか。
それは「知らないから」「やったことがないから」。
考えてみたらどんな世界でもはじめはそうですよね。
パン屋をはじめるときも何をしたらいいかわからなかった。
イベント出店をしても何を注意したらいいかわからなかった。
ネットショップ運営も全く同じ道にいます。
ネットショップとなるとそこに”デジタル”という現代の壁が存在します。
またイベントならお店の前を人が通り過ぎてくれて「あ、パン屋さんだ!」と立ち寄ってくれますが、ネットショップではその流れをみることができません。
裏で何が行われているかわからないってやつ。
何を準備したらいいのか、何をしたらいいのか、手順もよくわからないし、発送はどこで?など気になることがモリモリですよね。
というわけでここからはその謎の部分を紐解いていきましょう。
ネットショップ運営でやること
ネットショップをはじめる前にやっておきたいことがいくつかあります。
それぞれ解説していきます。
販売するサイトを選ぶ
書籍の中でも紹介していますが、販売するサイトは大きく分けて2種類あります。
- minneやCreemaなどのプラットホーム型
- BASEやSTORESなどの個人商店型
分かりやすく伝えるとショッピングモールの出店はプラットホーム。
人の流れがある程度あり、目に触れるけれど出店料が少しお高め。
商店街の個人店が個人商店型。
人の流れは少ないけれど、自由に表現ができ、モールより家賃はお手頃。
どちらを選ぶかはお店次第。ただ実店舗ではないので、併用することも可能です。
わたしはminne、Creema、STORESの3つのサイトを運営しています。
手はじめはminneがオススメです。
サブとして個人商店型を持っていると後から誘導ができます。
詳しくは過去の記事でまとめていますので、ご参考ください。
販売する商品を決める
販売するサイトを決めたら次は商品を考えます。
普段店舗で販売しているメニューをそのまま出品してもOK。
ただしサンドなど冷凍すると難しいものは除外します。
生野菜などは冷凍が難しいですからね。
ここで補足ですが「配送は絶対冷凍なの?」という話。
もちろんそれも自由に選んで大丈夫。
常温・冷蔵・冷凍それぞれの特徴から選びましょう。
常温で外気温に振り回されるのが嫌だったのと、自分のパンが冷凍でも美味しいとわかったので冷凍のみです。
フルーツサンドなどは冷蔵でもいいですね。
ただし冷凍以外は賞味期限が短くなりがち。
届かなかったとき、受け取りが遅れたときのことも考えておきましょう。
価格帯ですが、わたしは出店のときと揃えるようにしています。
お客さん側に立ったら「なんで同じものなのに?」と思うから。
これもまたそれぞれ考えがあると思いますので、説明ができれば自由に決めてOKです。
商品が決まったら紹介文を考えます。それについては後述します。
消耗品などを準備する
発送するには箱が必要ですよね。
ダンボールや梱包用の箱を準備しましょう。
「袋はダメ?」とたまに聞かれますが、サイズがまちまちになることと保護の関係でわたしはダンボールで統一しています。
発送にはサイズがありますよね。
冷凍発送だと60・80・100・120があるよ!
冷凍は120サイズまで。60サイズと80サイズでは料金が異なります。
袋だと毎回測定が必要になりますし、箱よりも薄いので破れやすい。
基本的には箱の方がいいかなと思います。
こだわりたかったらロゴを入れてもいいですよね。ただし箱などをこだわることで梱包用品の経費が上がります。
わたしは箱よりも「買いやすい価格で」を優先していたので、ザ・ノーマルなダンボールにかわいいスタンプを押すことにしています。
またそのまま箱に入れるのも殺風景なので緩衝材も用意します。
冷凍の場合はプチプチは必要ないのですが、しっかり緩衝材を入れてパンが踊らないように固定はしましょう。
英字新聞もおしゃれなのですが、箱と同じ理由で経費を抑えたかったので、わたしは無地のものを利用しています。
配送業者を選定する
サイト・商品・消耗品が準備できたら配送業者を決めましょう。
工房からの距離、料金などを総合して判断といいでしょう。
わたしはヤマトの営業所まで車で1分だったので迷わずヤマトを選びました。
取りに来てもらうのは料金がかかってしまうので、できれば工房から近いところで自分で持ち込めるところがベスト。
最初はクロネコメンバーズからスタートし、現在はビジネスメンバーズで契約をしています。
料金はそれぞれで異なりますので、いくつか想定して計算してみてください。
と、ここまでネットショップをはじめる前の準備についてお話しました。
結構やることがありますよね。
この時点で「めんどくせ!」と逃げ出したくなりますが、季節と天候に左右されず販売できる点ではネットショップはとても心強いです。
とはいえ向き不向きがありますので、のちほど紹介する方法でやれるかどうかを考えてみましょう。
ネットショップで注意すること
次は注意することを解説していきます。
それぞれまとめていきましょう。
最初から売れはしない
ネットショップをはじめると「新しいことをはじめた、忙しくなったらどうしよう!」なんて思ったりしますが、現実はそう甘くはありません。
最初ってね、本当にヒマなんです。
あんなにも準備に時間をかけたのに、大量に箱も用意しちゃったし、これ売れなかったら全部無駄!?くらい落ち込みます。
が、最初からは売れないのでご安心ください。
minneからはじめている場合は運が良ければピックアップされるかもしれません。
ピックアップされたけど売れないぞ……という場合は、あと一歩の何か謳い文句が必要かもしれません。
「このパンってこんな特徴があるんだよー」みたいな一文を入れてみましょう。
わたしはあえてのシンプルぱんがウリ。いろんな具材を入れるのではなく、毎日食べても飽きないパンを文章に出しています。
発送目安の日数は守ろう
ネットショップでは販売ページに発送目安を記載します。
わたしは「6日以内」で設定しています。
一応これにも理由があります。
- 理想は注文から3.4日にしたい
- しかし注文が重なったら現実的ではない
- 1週間(7日)は長い印象がある
基本的にはご注文から3.4日で発送をしています。が、注文が重なるときもありますよね。
自分で追い込みすぎてもいけないですし、”受注生産です”を伝えておけば1週間程度なら許容範囲。
でもわたしなら1週間はちょっと長く感じる。
じゃあ……間をとって6日で。にしています。
たまーにどう考えても難しい!というくらい重なったときは、ご注文メールの返信で「現在ご注文が集中しております」の一文を入れて、発送の目安をお伝えするようにしています。
性格的に時間に厳しいので、6日以内でも長いと思うのですが、そこはお互いのちょうどいいところに落ち着いた感じです。
対面ではないからこそ誠実に
ネットショップは良くも悪くも顔を合わせません。
また本当にたまにミスをしたりもします。
一度パンセットの販売の際に「きなこは避けてください」の一文がありました。
それを見逃してしまい、きなこのパンを入れてしまったことがあります。
お客さんに指摘されて気づいたのですが、このときは別のパンを焼きなおして再送しました。
本来パンセットはこちらの指定の内容ですが、アレルギーという方もいらっしゃいますよね。
なので「1.2個であれば対応いたします」と表記していました。
これはまさに自分で自分の首を絞めた形(まぁしっかり確認しろって話ですが)。
あとから「ここまで対応してくださると思わなかったのでありがとうございます」と連絡が来ました。
いや……むしろごめんなさいという状況なのですが、お客さんにも恵まれているなと思ったものです。
こんな感じで大変ではありますが、ちいさくはたらくからこそ出来ることもありますので、少しずつ慣れていけたらいいかなと思います。
ここまで聞いてもやっぱり心配!という方は次に紹介する方法で体験してみましょう。
〇〇〇〇でプチ練習をしよう!
最後の項目は「実際に体験してみよう!」。
普段ほとんど出品をしたことがない人が、いきなりネットショップ運営はそりゃハードルが上がるものです。
少し前に「おうちパン屋体験・実践編」の記事を更新しましたが、今度はもう少し踏み出して実際に出品と販売をしちゃいましょう。
そこでおすすめなのが「メルカリ」。
仕組みがネットショップによーく似てるんです。
流れはこんな感じ。
ちなみにメルカリだとお金の流れはCreemaに近いですね。
商品を受け取るまでは仲介業者(メルカリ)が保留、商品を受け取り、確認したら受け取り完了手続きをとりそこではじめて販売者にお金が渡ります。
minneでは発送と同時に売上に加算されます。
STORESに至っては注文をとった時点ですでにカウント。
お互いが確認するという面ではCreemaはしっかりしているなと思います(ただし受け取り完了ボタンを忘れる方もいますが……。その場合はある程度時間がすぎると自動で完了されます)。
配送業者はヤマトか郵便局になりますので、選定の際にも参考にするといいですね。
なおメルカリは「値下げ交渉」がつきもの。
これもまた価格設定の練習になります。
実はわたしこれまで300を超える不用品をメルカリで販売してきたのですが、価格は最初だけちょっと強気でいい気がします。
それで売れたらラッキー。1日経っても売れなかったら100円下げる。
交渉されたら限度はありますが、常識の範囲内なら即OK。
ここで中途半端にケチると大抵売れるタイミングを逃します。
そもそも不用品ですので、そこは変に抵抗せず気持ち高めにして下げる方が作戦としては正解な気がします。
商売って価格を下げるのは簡単ですが、上げるのって相当な覚悟がないと出来ません。
パン販売も同じ。価格を上げるタイミングは何かしらの理由をもって行いましょう。
自宅の使わなくなったものを出品し、ちょっとお小遣いがもらえて、かつネットショップの練習も出来る。
仕組みも似ているので、プチ体験にはいいかなと思います。
今回のまとめ
今回はネットショップの準備編。
なんだか一歩踏みだすのが怖いなという人のためにネットショップ運営のコツをいくつかお伝えしました。
ポイントは4つ。
ネットショップをはじめて今年で5年目になります。
5年の中でもやはり段階があり、一番大変だったのは軌道に乗せるタイミングでした。
間違いなく多少の無理が必要だから。
わたしはそれがたまたまコロナ禍で、イベントもなくなったからこそ全振りできた。
これもまた幸運だったかもしれません。
何かを取り入れるときは、何かを捨てる必要があります。
ぜーんぶを自分のものにすると何かを失います。
それが普通なんですよね。わたしにとって今は手放すものが「パン屋」になっている気がします。
パン屋を手放すそのときまで精一杯焼きますよ。
ぜひ一歩踏み出してみてください。