先日Instagramで「どんなパン屋さんになりたいですか?」と質問してみました。
あまり人に絡まない。いや、絡めなかったのですが最近はちょっと勇気を出して交流を持とうをしております。
するとたくさん返信がありました。嬉しい。
その中で何人もの方にこう言われました。
いつかお礼を言いたかったので、こういう機会があって嬉しいです!
おや?わたしだけか?ビビっていたのはw
すみません。いわゆるコミュ障ってやつでして。
そしてふと思ったのです。
「ファンを作るってパン屋運営と同じかも」と。あ、勝手にファンが増えていると思っています。すみません。
というわけで今回はパン屋さんを始めたい方にも『お客さんに伝える』コツをいくつか解説していきます。
妄想はお金かかりませんから。夢をモリモリ膨らませてまいりましょう!
コンセプトを考えよう
現在パン屋さんを運営している人も、これからパン屋さんを始めたいと思っている方も共通するのが「コンセプト」。
『何を、誰に、どうやって販売したいですか?』
パン屋なので、まず「何を」の部分は「パン」。「誰に」というところからがそれぞれ変わります。その前に考えておきたいのが”コンセプト”。コンセプトが決まると一気にお客さんを想像出来ます。
こういうのを考えるとき、コツは”とにかく出す”こと。
例えばわたしの場合。
ざっとまとめるとこんな感じです。
ポイントは『卵アレルギー持ち』。これはある意味わたしの特徴でした。
ふと考えてみたら卵アレルギーがひどくなるまでわたしのパンってあまり特徴がなかったんです。
アレルギーが最大に悪化したのが7年前。
「もう生地に卵使えないな」と確定した時期がこのとき。それまで卵を使った生地も結構ありました。バターロールもそうだったし、メロンぱんも卵を使った生地でした。
根本から変えないと味見が出来ない。今思えばそのおかげで個性が出たのかもしれません。
以降、わたしのパンのコンセプトが決まりました。
『まいにち食べたいシンプルぱん』
本当はもうちょっと長かったのですが、一言でまとめた方がいいのでこちらで決定。
これでコンセプトが決まりました。
「誰に」という部分は「家族みんなで食べれる環境にある人」。
パンを買ってくるのは誰でしょうか?
そう。お母さんです。お母さんといっても20代から60代、70代まで幅広い。
つまり”女性”です。
家族が食べるものを担っているお母さんが「あ、あのパン頼もう」と思い浮かべてくれるパン屋が自分だったらいいなぁという妄想で活動しています。
ここで勘の良い方は気づいたかもしれません。
そう。わたしのアウトプットしている屋号。
”ぱんのおみみ”のサブタイトルは…『主婦、ときどきパン屋』。たまたまかかってましたwびっくり。
「誰に」がある程度定まったら、「どうやって売りたいか」を考えます。
- パン屋さんなら
- 店舗運営
- イベント出店
- 委託販売
- ネットショップ
わたしがお店を作らなかった理由は別の記事に託しますが、出店、委託、ネットショップは経験しています。性格に合っていたのは「ネットショップ」でした。こればかりは動かないと向き不向きが分かりません。
今からパン屋さんを始めたい方は妄想を膨らませておきましょう。
ではこの章のまとめです。
わたしは「まいにち食べたいシンプルなパンを、お母さん世代の方達に、ネットショップで販売したい」でした。
次の項目では自分ブランドについて考えていきましょう。
自分ブランドを作ろう
コンセプトとともに決めたいこと。
それはテーマカラー。
デザインの世界ではよく言われますが、3色持ち色があると何かと便利とのこと。
パン屋らしくメインカラーはホワイト、サブカラーはウグイス色、アクセントカラーはカーキ。なぜこの色かというと、ミリタリー好きだったからw
なのでこのブログにも至る所に要素があります。
今は全てのロゴなどを自分で作っていますが、せっかくなのでかつての雰囲気をご紹介しましょう。
モザイクかけておりますが、左の画像がまさに当時のフライヤーです。こちらはお友達のデザイナーさんに作ってもらいました。
やっぱりね、さすがプロ!めっちゃかっこよかったです。
この時はこういう古道具っぽかったり、ミリタリーっぽいものが流行っていたんです。ただ時代は変わっていくもの。小道具屋と化していたパン屋の雰囲気。
わたしのシンプリスト化とともに変わっていきまして、現在は右の画像。パン屋っぽくなりましたでしょ?w
これはこれでまたわたしらしい。ちょっとポップで、ちょっとレトロ。今の雰囲気は気に入っていて2年以上使っています。
店舗でも、出店するでも、ネットショップをするでも雰囲気は統一しているとスッキリします。
意識しているアイテムを挙げておきます。
- 看板、ショップカード
- 箱に押すスタンプ
- ホームページ
- LINE公式アカウント
- 案内用の画像もろもろ
デザイナーさんに頼んでもいいし、わたしのようにそれすら楽しんで作ってもいい。
統一感を合わせるようにしましょう。
ファンを作ろう
パン屋さんを活動する上で最も重要なこと。
それは「お客さん」です。
どうやったらお客さんに買っていただけるか。
答えは「ファンを増やす」ことですよね。
知ってもらわないと始まらない。
これはパン屋さんだけではなく、作家さんもそうだし、有名人だってそうだし、YouTubeのチャンネルだってそうです。
「食べたい!」「見たい!」「話したい!」と思うからその食べ物を、人を知るために情報収集してくれます。
消費者の購買行動モデルのひな型に「AIDMAモデル」というものがあるそうです。
- A(Attention):認知・注意
- I(Interest):興味・関心
- D(Desire):欲求
- M(Memory):記憶
- A(Action):行動
知ってもらって(認知)、気になってもらって(興味)、食べたいなと思ってもらって(欲求)、あのパンと覚えていてくれて(記憶)、よし買おうと動いてくれる(行動)。
そのあとは覚えてくれていたところから繰り返し。ということは、”知ってもらう”必要がありますよね。それには宣伝しないといけないし、お金をかけて宣伝をすることもあります。
パン屋がファンを増やすために有効なのはイベント出店。これもまた出店料という宣伝費を払って出店します。
フォロワーの増え方はイベント出店が一番多かったです。
出店は各SNSで紹介もされます。紹介されると気になった人はフォローしてくれます。実際に食べてみて、また食べたかったらフォロー。やはり直接会うというのは大きい。
会った時の会話が楽しくて仲良くなることもあります。もちろん出店者同士の繋がりも大切。別の出店のきっかけになることもあります。
現在わたしはYouTubeなどのコンテンツ作りに力を入れています。
実際フォロワーさんが多いのはYouTubeチャンネル。工夫していることは「さらけ出す」こと。
別に減るもんじゃないですから、自分の経験とか性格の癖を出しても良いかなと。配信者のちょっとした弱い部分とかあると”気になるアノ人”になりませんかねw
この人の話を聞いてみたいなと思ったらフォロー。聞いてみて「そーでもねーな」と思ったら解除。これはどの分野においても同じですね。
ファンになってくれた人は一緒に応援してくれます。
「あなたから買いたい」と思われるよう、コツコツ積み上げていきましょう。
自分の軸を持っておこう
最後は信念のお話。
人はどうしても周りと比べてしまいます。
一生懸命焼いていったパン。イベント出店しても自分のお店は売れ残る。どこのお店も行列が出来ているのに、自分のお店だけ全然スカスカだなぁ。
こんな時「もう嫌だな」と思うこと、みんなあります。
みんな経験があっても、「今自分は辛いんだ!だから知ったようなこと言うな」と思うかもしれませんが、その気持ちもみんな知っています。
わたしもこうやって情報配信していますが、正直調べれば分かるようなことばかり。
でも1つだけ誰にも真似できないことがあります。
それが『経験』です。
そしてその経験から導き出される自分の選択に自信を持って進んで欲しいなと思います。
わたし自身、ちいさく働いていますが「家庭優先で働くこと」に誇りを持っています。
パン屋のいろんなコツをお伝えしているけどわたしも一人の人間であり、生まれてきてからの経験があります。その経験を元に”どう生きたいか”を模索して今に至ったから。
どの選択にも無駄なことはありません。
やってダメなら修正する。
修正してもダメなら違う方法にする。
違う方法でやれそうなら続ける。
続けていけば経験が積み重なる。
こうして配信しているのは10年間ちいさいながらもパン屋を続けてきて「売るだけが全てではない」と思ったから。
大切なものを守るには現実と向き合う勇気も必要です。
ここまでこの記事を見てくださっている方にはきっとわたしの軸は届いているのかななんて思ってます。
一緒に頑張りましょう!
今回のまとめ
今回は「パン屋さんの軸を作ろう!」ということでコンセプト作りなどを解説してきました。
最後にポイントをまとめておきましょう。
こんな風に「軸を作ろう!」なんて言っていると、あたかもわたしに軸がありそうな感じがしますよね。今でこそ家庭優先で働くことが軸なのでそんじょそこらのことでは動じませんが、かつてのわたしは欲張りそのものでした。
いろんな教室をやって、いろんなセラピーをやって、パン屋さんを始めて、イベント主催までしちゃって。
「自分は出来るんだ」なんて勘違いをしていました。
軸が定まった今、あの欲張って頑張っていた経験は何にも変えられない宝物になっています。
教室をやっていたからご縁があってパン屋を始め、パン屋をしていたからイベント主催をすることになり、イベント主催で経験を得たからネットショップにも活かせた。
たくさんの経験をしたから発信することが出来る。どれが欠けていても今はなかったんですよね。
5年、10年かけて見つけたやりたいこと。どんどん伸ばしていきます。
ぜひ一緒に作り上げていきましょう!