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イベント出店

イベント出店、パンは何を何個焼いていく?

今回は「イベント出店、パンは何を何個焼いていく?」について解説します。

質問者さん

出店が初めてです。数の検討が付かないのですが、何個くらい焼いていますか?

こんな質問を少し前に質問をいただき、個別に返信をさせていただきました。

他にも知りたい方がいるかなーと思い、今回記事にすることに。

イベントといっても大小さまざま。

規模客層客単価もイベントごとに変わります。

自分のお店で販売する場合は開店時間ギリまで焼けますが、イベント出店はそうにもいきません。

出店する会場までの移動時間交通費気候体力なども考えながら総合的に考えていく必要があります。

自分の工房で焼けるパンの数”だってお店によって変わりますよね。

それらを含めてまとめてみましたので、イベント出店の参考にしてみてください。

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自分の限界数を知っておこう

まずは自分の焼ける限界数を知っておきましょう。

ここに関わってくるのは

  • オーブンの台数
  • 1回の仕込みで焼ける数

オーブンの数が多ければ多いほど、オーブンが大きければ大きいほど焼ける数は確実に増えますよね。

わたしの場合、使用しているオーブンは一応業務用といえど小さい天板3枚のガスオーブンです。ほぼ家庭用の大きさ。

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天板には少なくて4個、多くても6個しか乗せることができません。

また成型後二次発酵後では大きさが変わります。

膨らむことまでを視野に入れて天板に置くことが必要になります。

欲張ってたくさん置きたくなりますが、全部引っ付いたら超かっこ悪い。

基本的には4個×3段=12個

多くても6個×3段=18個ということになります。

仕込みに関しても冷蔵庫に入れられる限界数がありますよね。

焼く時間も無限ではありません。

わたしの場合は生地を冷蔵発酵するタイプ。

冷蔵庫に入る生地の数は他の材料が入っていたりするので、頑張っても20回分くらいでした。

1つの袋で約12個分を仕込めます。

冷蔵庫に入る限界が20個とするとその日の朝に焼けるのは12個×20回=240個

前日に焼成すると美味しく食べられるベーグルであれば、1日早く焼くことも可能です。

仕込みを20回として同じ数焼いたとしてもパンとしては2日合わせて500個が限界。

おぱんくん

500個て!!

仕込んだだけではダメで、焼き上げる時間も必要になりますよね。

1回の仕込みの焼き上げ平均時間は13分

これを20回分と考えると260分。およそ4時間半です。

例えば夜中の12時から作業を始めるとしましょう。

二次発酵が1時間だとすると発酵器の準備や成型時間を含め、焼き上げ開始は早くても夜中の1時半

そこから4時間半だと6時に焼成完了。

焼き上げてすぐ袋に入れることは出来ないので冷めるまでおよそ1時間の待機。

順番に袋入れを行っても最後に焼き上げたパンは7時ごろにしか入れることは出来ません。

搬入時間が8時なら、場所によってはギリギリ。

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そう。発酵の時間・作業の時間・冷却の時間・梱包の時間を考えるとわたしの規模でイベントに500個焼いていこうとするとかなりキツイんです。

出来たら当日焼いて持っていきたいですしね。

なので別メニューとしてグラノーラスコーンなどのサイドメニューを考えました。

お菓子屋さんでは長期間保存のきくクッキーなどを焼いておいて、当日にタルトやシフォンケーキを焼くお店も多いかと思います。

ただお菓子は1回の焼き上げ時間がとっても長い。

オーブンが小さいだけ大変ではありますよね。

その辺りも計算して”自分の限界数”を決めておきましょう。

自分の限界数を理解しておこう!

ちなみにわたしは数回500個チャレンジをしましたが、かなり辛かったのでその後の大きなイベントは多くても350-400個に抑えていました。

もちろん売り上げは減ってしまいますが、無理をして倒れる方がよろしくないので”いい塩梅”で留める選択をしました。

余るよりも、完売の方がレア感も出るのであえて数を減らしていた節はありますw

イベントの規模から考える

ではここからは”イベントによって個数を考える”ところにフォーカスしてみましょう。

規模・客層・客単価”の3パターンで考えていきます。

まずはイベントの規模から。

おおよそ3つくらいの種類に分類されます。

大規模なイベントとしては数百の出店のあるマーケットですね。

100を超える出店のあるイベントの特徴は

  • 同じジャンルの出店がたくさんある
  • お客さんが全て回れる規模ではない
  • 出店料もそれなりにかかる
  • 搬入、搬出もかなり大変

土日通しての出店であったり、前日搬入だったりでかなり時間も体力もお金も使います。

わたし自身は50を超える大きなイベントの出店経験はありません。

理由は”出店料や交通費などの負担を考えるとそれを上回る個数焼ける自信がなかった”から。

大きなイベントの出店料は万単位。

他に交通費や駐車場代、場所によっては宿泊代も別途必要になります。

おぱんくん

大きいイベントは出店料が3万、4万がザラだよ!

例えば全国展開のオンラインショップがあり、商品の長期保存が出来るお店であれば遠くまで出店することは現実的。

アクセサリーや布小物などはもちろん、梅干しや蜂蜜、調味料などの飲食もこの条件に当てはまりますよね。

パンはどうでしょうか。

焼くのは前日で限界。基本は当日夜中から朝にかけて焼きます。

キッチンカーのようにその場で調理するわけでもありませんから、複数のスタッフがいて手分け出来るなどの環境でないと難しいです。

1人で小さく活動している場合は大規模なイベントの出店は慎重に。

それに対して中規模・小規模のイベントは移動範囲にもよりますが、かなり現実的。

移動距離によっては焼き上げの時間がとてつもなく早いことがあります。

1度だけ他県に出店したことがあります。

我が家から車で2時間半の場所でした。

6年ほど前。わたしは当時30歳。

おみみ

楽しそう!雰囲気も素敵!遠いけど旅行を兼ねて参加したい!

というわけで今では考えられないほどの勢いノリで出店を決断しましたw

搬入は8時スタート。となると出発は5時半

200個ほど焼いていったのですが、逆算すると焼成は3時間程度。

夜中の12時から作業を始めました。

家族旅行も兼ねて泊まりで出かけたので、売上は旅行代で消えましたがとてもいい経験になりました。

が、体力的にはえげつなかったですw

ちなみに卵アレルギーで身体が大暴走したのはこの日の話ww

パン屋として知っておきたいアレルギーの話今回は飲食店の方が意外と軽く考えがちな「アレルギー」のお話。わたし自身が卵アレルギーだからこそ、苦労も苦悩も知っています。お店が知っていてくれるだけでどれだけ安心できることか。ぜひ知っておいていただきたい内容となります。ぜひご覧ください。...

夫が運転してくれたのは助かりました。

ちなみに出店中、夫と息子は少し離れたテーマパークで楽しく遊んでいたようです。

イベントの規模が大きくなるほどに宣伝効果は高まります。

ただ出店料負担や距離的に難しい面もありますので小さなパン屋さんとしてはまずは中規模・小規模イベントの出店をオススメします。

作業時間・冷却時間・移動時間を含めて何時起きにするのかを考え、その上で焼ける個数を逆算するのがいいかと思います。

イベントの客層から考える

イベントでは規模だけでなく、客層も売上に影響してきます。

例えば地元の出店と、県庁所在地のような人の多い街中の出店ではお客さんの数が違いますよね。

  • 平日の昼間に開催されるイベントなのか
  • 土日の昼間に開催されるイベントなのか
  • 大型連休を意識したイベントなのか
  • 夏祭りのような夜のイベントなのか

それによって客層も客数もガラリと変わります。

オシャレな雑貨屋さんでのイベントだとお客さんの雰囲気も似た感じです。

みんなベレー帽にワンピース、みたいな感じだったりします。

逆に公園などを借りた平日昼間のイベントだとママさんが多く来場されます。

焼く数に関しては逆算方式がオススメでしたが、客層の面から考えるとメニュー選びがちょっぴり大切。

つまりは場所と客層でメニューの寄せ方や声かけの内容も変わるということ。

先ほど出てきた遠方の出店。実は場所は”京都”でした。

せっかく京都ならと、その時は和風なメニューを多めに入れていました。

抹茶、甘納豆、お芋、あんこなど。

定期的に出店するイベントなどでは定番メニューだとお客さんが飽きてしまうので、季節のメニューと入れて変わり映えを目指しましょう。

出店頻度によっても変わるので、実際に出店しながら調整してみてください。

予想される客単価から考える

最後は客単価のお話。

イベント、とひとくくりには出来ません。

いろんなジャンルのイベントがありますよね。

  • お子さん向けのイベントでのパン販売
  • ファミリー層向けの幅広いジャンルを扱うイベント
  • オシャレ系のイベント
  • フェスや夜市的なイベント
  • パンフェス的なイベント

種類を挙げたらイベントの数出てきそうです。

さて。そうなるとちょっと考えておきたいのは”客単価”です。

イベントのお買い物目当てで来場するのか、

たまたま立ち寄ってみたイベントなのか。

わたしがイベント主催として参加していたイベントはちょっと田舎の神社をお借りして開催していました。

周りには何もなくて、来場者はそのイベントでのお買い物を目指して来場されます。

だからお財布の気合いも十分ですw

万札がどんどん出てくるので釣り銭不足になることもよくありました。

おぱんくん

万札の多いイベントはお客さんの気合いが伝わってくるね!

対して平日昼間に行われるママ向けのイベントはどうでしょうか。

特に赤ちゃんなどまだ手のかかるお年頃のお子さんがいる場合、たまたま公園に遊びに来たらイベントしていた、なんてこともありますよね。

そうなるとお買い物の気合いはほとんどないと思っていい。

この場合はどうしても客単価は下がりがちです。

「客単価が下がる=単純に買う個数が減る」ので売上に直結してきますよね。

パンの”1個あたりの単価が高い”とさらに売れにくい状況になります。

販売するパンは基本的には1度決めた価格は価格改定しない限り、イベントごとに変えるものではありません。

ウインナーロールが200円なら、どのイベントでも200円にするべきで「このイベントの時は同じもの売るけど220円にしちゃお」はよろしくありません。

収支を考えたときはメニューのバランスも大切になる。

夜のイベントでメロンパンよりはお酒のつまみになりそうなエピのが売れやすいですし、同じエピでもいつもよりハードにしてみたり、マスタードを入れるとおつまみらしさもアップします。

お子さんが多く来場するイベントならエピよりもメロンパンが売れやすい。

紅茶メロンぱんよりも馴染みのある「ノーマルなメロンパン」のがウケもいい。

お客さん自身がお買い物を楽しみにきているのか、イベントやマルシェはサブ的な位置付けなのかで客単価に影響してきます。

イベント選びの1つの参考にしてみてはいかがでしょうか。

今回のまとめ

今回は「イベント出店!パンはなにを何個焼いていく?」について解説しました。

最後に内容をまとめておきましょう。

イベント出店を卒業してもうすぐ1年が経とうとしています。

出店は楽しかったし、あのワクワク感は時々思い出したりもします。

わちゃわちゃした準備の時間も、午後のお買い物タイムも醍醐味でした。

ただ、イベントに出店していたことで失っていたこともありました。

そう。”家族の時間”です。

「そんな家族奉仕したって子どもはいつかは子離れしちゃうし、もっと自分の時間を楽しんだほうがいいって!」と思われるかもしれません。

でも育った環境にトラウマがあるわたしにはそれが必要なのです。

わたしの人生において最重要視したいのがその時間だったのです。

確かにキラキラした世界の出店は楽しかったけど、いつもどこか罪悪感がありました。

パートではなく、自宅で出来る仕事を選んでいったのも自然なことでした。

家族との時間、家族との会話の大切さを身をもって感じて育っていたからこそ、「いま家族の時間を後回しにしていていいのかな」と思っていました。

もしかしたらその時は「家族の時間が怖い」と無意識に思っていたのかもしれません。

角度を変えて活動を継続していく中で、やりたいことを残しつつ家族との時間を取ることが少しずつできるようになってきました。

「そうか、わたしのバランスはこれなのか」と思ったのはごく最近のこと。

不思議と最近精神的にとても安定しています。

人にはそれぞれ考えがあります。

他人には理解出来ないようなことが、自分にとってはすごく大切なこともある。

その”自分にとって大切なこと”は大切にするべき

何を思われようが、どう言われようが人それぞれ違うんですから、口出しされる必要はないと思うんです。

とはいえ、時々出店が恋しくなったりもしますけどねw

でも今はまだいいかな。そうなるときっと当分いいのかなw w

しばらくは今のスタンスで続けていこうと思います。